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Jリーグ 6年前

トーレスにできること、できないこと。“神の子”の鳥栖デビュー戦で見えた今後への期待

 明治安田生命J1リーグ第17節・サガン鳥栖対ベガルタ仙台の一戦が22日に行われ、鳥栖に加入したフェルナンド・トーレスがJリーグデビューを果たした。ヘディングシュートを放ち、味方のチャンスを演出するなどまずまずのパフォーマンスを見せている。(文:青木務)

text by 青木務 photo by Getty Images

随所に持ち味を発揮

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Jリーグデビューを果たしたフェルナンド・トーレス【写真:Getty Images】

 アンドレス・イニエスタと並ぶビッグネームとして、今夏のJリーグを賑わせたのがフェルナンド・トーレスだ。ワールドカップやEUROを制した元スペイン代表ストライカーは、下位に低迷するサガン鳥栖の救世主となれるだろうか。

 デビュー戦で見せたパフォーマンスは今後に期待を抱かせるものだったと言える。50分から登場すると最前線にポジションを取り、味方のパスを引き出していく。ヴィッセル神戸に加入したイニエスタと同様、ファーストタッチまでに数分を要したが、徐々に攻撃の起点となるシーンを作っていった。

 最初の見せ場は64分に訪れた。右からのCKに186cm、78kgの体躯を浮かすとボールを頭で捉えた。フリーでのヘディングシュートはGKの正面に飛んだが、味方からの精度の高いボールをフィニッシュに繋げている。

 さらに、連係からゴールに迫る形も作った。71分、高橋義希のパスを胸で小野裕二に落とすと、自身は左に膨らみながら走る。小野からのリターンパスを受けると、PA内に侵入。中に持ち替えてシュート体勢に入り右足を振った。これもGKにセーブされたが、トーレスらしいプレーだった。

 トーレスのシュートはこの2本にとどまったが、チームの攻撃を活性化させる役割もこなしている。73分、味方のクリアを自陣で収めると相手のチャージをかわしてターン。そのままドリブルで持ち込むとスルーパスはカットされたが、ボールを収めてマークを剥がして前を向く一連のプレーは流麗。引き出しの多さを感じさせた。

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