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Jリーグ 6年前

イニエスタが相手の脅威となる理由。名波監督の着眼点、磐田の選手たちが触れた“世界”

text by 青木務 photo by Getty Images

「メッシの“あの”ゴールを驚かないのは、世界中でイニエスタくらい」(名波監督)

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アンドレス・イニエスタの“予測力”に注目【写真:Getty Images】

 実際にイニエスタと同じピッチに立った磐田の選手たちは、何を感じたのだろうか。昨季最少失点の立役者であり、今季も守備の要にして活躍する大井健太郎はこう話す。

「(1失点目について)イニエスタ選手の体の向き的にダイレクトでパスもあるかなと思って、中を少し警戒してしまったところを引くターンでやられてしまった。ターンももちろん上手かったし、深かった。足が届くかなと思ったけど、やっぱり上手いですよね。もう少し前目に流れてくるトラップもあると思うけど、より深めに入って。非常に上手かったと僕が言うのもなんですけど、やっぱり凄かったなと」

 磐田のディフェンスリーダーは、イニエスタがどうすれば相手を混乱させられるかを考えてプレーしているとも感じたという。

「常に危ないところで待っていて、ドリブルで運んで浮き球でスルーパスを出された前半の場面とか、ああいうところで確実に崩されている。任せるところは任せて、他の選手に運ばせてくる上手さとか、そういうポジショニング。ボール技術の高さは元々わかっていたことだけど、僕らに捕まりづらいところで受けるのが上手いなと」

 圧巻のゴールを決められた磐田。少し話は戻るが試合前日、名波監督はイニエスタの『予測』ついて話した後、こうも述べていた。

「あとはやっぱり、ファーストタッチだよね。ナイジェリア戦での(リオネル・)メッシのあのゴールを驚かないのは、世界中でイニエスタくらいじゃないかな」

 ロシアワールドカップ・グループリーグ第3節。アルゼンチン代表は決勝トーナメント進出をかけてナイジェリアと対戦し、メッシは左サイドからのフィードを完璧なタッチで収めると右足でネットを揺らした。シチュエーションは違えど、今回のイニエスタのトラップも異次元だった。

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