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日本代表 6年前

森保Jを救った大学生FW上田綺世。非凡なストライカーの才能、半端ないゴールへの執着と反骨心

text by 舩木渉 photo by Getty Images

鹿島ユース昇格を逃した挫折を乗り越えて

 サッカーを始めたのは小学1年生のとき。社会人チームでプレーしていた父・晃さんのハットトリックに憧れてボールを蹴り始め、それからストライカーとして技を磨き続けてきた。最初の挫折は鹿島アントラーズノルテジュニアユースから、鹿島アントラーズユースに昇格できなかったことだった。

「自分の中ではシンプルに、すべて足りなかった。(ユースに)入れてもらえなかったということは、必要とされなかったということなので。それはなぜかと考えた時に、自分の中で絶対的な『これ』というのは欲しかったし、その中で足の速さやフィジカル的な良さはあるけど、それを形にするって結果しかないと思いました。ゴールを取ることに小さい頃からこだわってきて、それを貫くしかないなと。高校3年間は本当にそこだけを鍛えてきたというか。それが悔しくて、結果で見返せるようにやってきた。その結果が今につながったと思う」

 鹿島学園高校に入学した上田は、めきめきと頭角をあらわす。昨年12月にU-20日本代表のタイ遠征に召集されるまで世代別代表歴はなく、全国的な知名度もなかったが、高校3年生の時には茨城県1部リーグで33得点と圧倒的なゴールラッシュを見せ、鹿島学園をプリンスリーグ関東昇格に導いた。そして全国高校サッカー選手権でも10番を背負い、負傷を抱えながらもエースとしてチームのために戦い抜いた。

 今でも連絡を取り合っているという鹿島学園の鈴木雅人監督は、高校時代から上田の才能を「常に一瞬のゴールを狙っているとことは非凡。ゴールだけを考えていて、今後飛躍する可能性もあるのかなと期待しています」と絶賛していた。

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