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日本代表 6年前

森保J、日韓決戦へ。「サッカー人生」をかけて…試される覚悟、全てをぶつけて勝ち取る金メダル

text by 舩木渉 photo by Getty Images, Wataru Funaki

若き日本の確かな成長。勝機はどこに?

U-21日本代表
U-21日本代表は韓国を打ち破り、アジア大会の金メダルを勝ち取ることができるか【写真:Getty Images】

 もちろん韓国は簡単に倒せる相手ではない。それは疑いようのない事実だ。準決勝のベトナム戦では1トップに今大会9ゴールで得点王濃厚なファン・ウィジョ、2列目には韓国の至宝イ・スンウ、ハンブルガーSV移籍が決まったファン・ヒチャン、そしてプレミアリーグでも屈指のアタッカーに成長したソン・フンミンと豪華な面々がスタメンに名を連ねた。

 彼らはおそらく日本戦にも揃って先発出場するだろう。いずれもA代表でもレギュラークラスの実力者で、1対1で止めるのは難しいだろう。日本から見れば局面で2対1、3対1と常に数的優位を作って対応することが求められる。

 そんな状況下でも「ビビッてベタ引きするのだけはしないようにしていきたい」と原が言うように、相手に自由にボールを持たせて攻められる状況だけは避けなければならない。ソン・フンミンら強力なアタッカー陣に常に前向きでプレーされれば、守備網を崩されるのは時間の問題になってしまう。

 思い返せば今回のアジア大会は困難ばかりで、若き日本代表の選手たちはそれを乗り越えてきた。過密日程と劣悪なグラウンドの影響で満足に練習ができず、事前キャンプもなし。グループリーグ初戦と第2戦では勝利こそしたものの、力量差のある相手に課題を詰めきれないまま第3戦のベトナム戦で、立ち上がりの緩さと球際の甘さを突かれて破れた。

 ただ、ピッチ上で認識をすり合わせていく時間がない中で、ピッチ外のコミュニケーションをより活発にして、課題を自信に変え、チームとしての一体感を醸成してきた側面もある。決勝トーナメント1回戦のマレーシア戦は、苦しい時間帯もありながら、最後の最後で勝ち切った。続く準々決勝のサウジアラビア戦は、拮抗した相手に確かな成長を示して打ち勝った。準決勝のUAE戦も疲労とうまく付き合いながら粘り強く戦い、最終盤まで諦めない姿勢を結果につなげた。

【次ページ】一瞬に全てをかけて

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