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日本代表 6年前

日本代表で「森保チルドレン」が果たすべき役割。新体制の船出を左右する強豪との2連戦へ

text by 元川悦子 photo by Getty Images, Wataru Funaki

「森保チルドレン」に求められる働き

「森保チルドレン」の青山らはそれをピッチ内外で身を持って示していく必要がある。指揮官のチームコンセプトを熟知する彼らの存在は9月の初陣2連戦を戦ううえで非常に重要だと言っていい。

 そのうえで、青山らに求められるのは、森保監督が「基本的に自分のベースとして持っておきたい」と断言した「3-4-2-1システム」の定着をサポートすることだ。

 これまでの日本代表は4-2-3-1が中心で、最終ラインを担う面々も鹿島アントラーズやFC東京など44ックを軸にするチームから選出されることが多かった。しかしながら、3バックを採用するとなると、こうしたチームの選手は慣れるまでに時間がかかる可能性がある。ドイツ・ブンデスリー2部のハンブルガーSVで戦う伊藤達哉でさえも「(今年3月の)U-21代表のパラグアイ遠征の時に1回だけやらせてもらいましたけど、あの3バックは他の監督と比べてもちょっと独特。慣れるのに時間がかかる」と感想を口にしていた。その考えは多くのメンバーに共通するのではないか。

 一方、森保監督の下でプレーしたことのある青山や佐々木翔、浅野は指示されなくてもやるべきことが分かっている。森保監督の師匠的な位置づけだったミハイロ・ペトロヴィッチ監督体制で戦ってきた槙野、遠藤航にもアドバンテージはあるだろう。

 彼らが率先して3-4-2-1のコンセプトを仲間たちに伝え、進んで理解を促していく形が指揮官にとっても望ましい。アジア大会を戦ったU-21代表に対しても、森保監督はあまりガミガミ指示することなく、選手たちの自主性や自発性を大事にしながら対応力や判断力を伸ばしていった。そういうアプローチはA代表になっても変わらないはず。であれば「森保チルドレン」と位置づけられる面々が積極的にに引っ張っていくしかない。

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