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アジア 6年前

監督・本田圭佑への評価。「救世主」として過剰な期待を背負いながら進むカンボジアでの新たな挑戦

text by 植田路生 photo by Masayori Ishikawa

初戦は経験豊富なメンバー中心。2年間で見据えるもの

 本田のカンボジアのプロジェクトは2年間。その先はどうなるのかは未定だが、まずは2年間でカンボジアサッカーの土台を築くつもりだ。

 マレーシア戦のメンバーの多くが、2015年の日本代表との試合を経験した選手たち。今後を見据えるなら若手選手を中心にしたほうが良さそうで、試合前には現地メディアからも不安視する声もあったが、本田は「経験のある選手が多いので問題ない」と一蹴。

 試合ではカンボジアが優位に立っていた。高い位置からプレスを仕掛け、マレーシアに攻撃の形を作らせず、押し込む展開が長く続いた。「満足している。30分間は自分たちがどう戦うかを見せられた」と本田は振り返る。明確なプランがあり、それを実行できたということだ。

 カンボジアのスタイルを作っていくためには、まずはそれをピッチ上で見せなくてはならない。実力のある選手たちを中心にメンバーを組んだのは、チームコンセプトをしっかりとこなせるかどうかを基準にしたからではないか。

 チャムラーン氏曰く「カンボジアの選手は実力以上にプライドが高い。2017年に監督だったブラジル人のレオナルド氏は選手を統率できず失敗した」という。その点で本田は、まずは最初のハードルをクリアしたと言えるだろう。

「本田は選手として非常に有名。選手たちもスターであることを知っているためリスペクトされているのではないか」とチャムラーン氏は分析する。

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