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日本代表 6年前

小林と浅野が示した新たな1トップの形。森保監督の起用法、ポジション争いは活性化へ?

text by 河治良幸 photo by Getty Images

浅野が持つ最大の武器

浅野拓磨
後半途中からピッチに立った浅野拓磨【写真:Getty Images】

 後半23分からは小林に代わり、浅野拓磨が1トップに入った。当初は3-4-2-1のシャドーに入ることも予想された浅野だが、今回の起用を見る限り、4-2-3‐1にしても3-4-2-1にしても、基本的には1トップがメインになって行きそうだ。

 その浅野も「森保さんが僕に求めてくれていることというのも今日の試合でもはっきりした」と語る。その浅野に基本的に求められるのはスピードを生かして裏を狙いながら縦志向のパスを引き出し、そこから周囲の選手をゴールに向けて行くプレー。周りを生かすという役割は変わらないが、小林とも違った特徴になる。

 同じく途中投入された伊東純也のゴールは結果的に個人技で相手のディフェンスをかわして決める形にはなったが、その起点を作ったのは浅野だった。「僕へのパスも(遠藤)航君が出してくれたんですけど、そこはしっかり二人でタイミングを合わせていい崩しができた」と語る。その一方で「いくつか(足下でボールを)おさめるべきところがあったので、このままじゃいけないなと試合の中でも感じていました」と振り返る様に、前線の起点としてパスを受け、周りの選手に出すというところでは課題も見られた。

 ただ、やはり浅野のライバルにない強みは圧倒的なスピードだ。終盤には天野純がトップ下に入り、南野が左サイドに回った。全体的に両チームとも縦の間延びが生じやすくなる中で、小林に比べると2列目の選手とは多少距離が開くシーンが増えたが、伊東、天野、南野という2列目の構成になったことで、最初のトリオよりはオープンな攻撃が増えることを承知で、浅野がどうチャンスを引き出し、フィニッシュに絡んでいけるかをチェックしたと見られる。

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