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Jリーグ 6年前

柏レイソル、正念場でも露呈し続ける課題。16位転落・・・窮地のチームが絶対にやってはいけないこと

text by 青木務 photo by Getty Images for DAZN

残留争いのチームがやってはいけないこと

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小泉慶は新潟時代に残留争いを経験している【写真:Getty Images】

 気を引き締め直して入ったはずの後半も、立ち上がりの52分に失点。64分に小泉の縦パスを受けた瀬川祐輔のゴールで1点を返し、追撃ムードを作るものの再び突き放された。後追いのゲームで選手たちは力を振り絞ったが、最終スコアは2-3。勝ち点1も遠かった。

 試合を通してセカンドボールの争いでも負けていた。蹴らされ、跳ね返されては清水ボールとなり、逆のシチュエーションでも回収できない。

「チームとしても個人としても、今日は本当に色々な要素で相手の方が上回っていたと思う。なかなかセカンドボールのところが拾えなくて。僕がそこで負けていたらチームも苦しくなる」

 小泉は自身を責めるように言ったが、カバーしなければならないエリアがそもそも広すぎた面はある。コンビを組む手塚はこう振り返っている。

「自分と慶くんの周りのスペースが広くて。前から行こうとは話しているんですけど、チーム全体としての意識が合っていないのか、自分と慶くんが前から行って相手のボランチを潰しに行こうとしても、後ろがそんなにコンパクトじゃないというか。それで中盤のスペースが広くなって、拾われてしまった。前から行くにしても行かないにしても、全体的なコンパクトさは必要かなと思います」

 残留争いを強いられているチームにあって、一人ひとりが『何とかしたい』と思うのは当然だ。しかし、それが同じ方向を向いていなければ集団としての力にはならない。危機的状況だからこそ、意識を統一させられなければ苦境を脱することはできないだろう。

「残留争いというこの状況からは誰も逃げられないし、逃げちゃいけない。現実をしっかり見て日々を過ごさないといけない。この状況を変えるのは僕たち選手しかいない。こういう時だからこそチーム一丸となってプラス思考に。下の順位を見るんじゃなく、上を見て、また来週に試合があるのでやっていければと思います」

 小泉はアルビレックス新潟時代、J1に生き残る喜びもJ2降格の失望も味わった。タフな経験を積み重ねてきた背番号8は、さらにこんな言葉を残している。

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