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Jリーグ 6年前

「マリノス内紛」は本当にあったのか? 指揮官の真意は選手批判にあらず

text by 舩木渉 photo by Getty Images

試合後取材で飛んだ2つの質問

 記者会見では「チャンスはかなり作っているが、失点のリスクもあるサッカー。残留争いが現実的になる中で、リスクをとるところと慎重になるところ、そのバランスに対する考え方は変わるのか?」という質問が飛んだ。するとポステコグルー監督は「我々のサッカーにリスクはない」と述べて、熱く語り始めた。

「我々には17回のチャンスがあって、相手には5回しかなかった。それはリスクではない。我々はより多くのチャンスを作って、より長い時間ボールを握っている。もし相手に20回のチャンスがあれば、それは確かにリスクだ。しかし、我々が何本シュートを打ったか、何本のコーナーキックを獲得したか、どれほど相手陣内でプレーしていたか見て欲しい。あれはリスクではない。フットボールとは勝利するためのゲームだが、先ほども述べたように勝利のためのメンタリティが必要だ」

 会見場から場所を移し、選手取材エリアで記者に囲まれたマリノスのFW伊藤は、「失点した時間もすごく悪かったし、反省点がかなり多い試合だった」と敗戦を悔やんだ。その流れでポステコグルー監督の記者会見の内容に話が及び、「結果は返ってこないんだけど、次にどう生かすかが、今年あんまり反映されていないような気がする。前と同じ失敗をまた繰り返して、というのが多すぎる気がするので、それは選手もそうだし、監督もそうだし、チーム全員が考えていかなければいけないところ」と、一向に改善されない試合運びの拙さを指摘した。
 
 その直後、こんな質問が出た。

「監督の記者会見を聞いていると、どちらかというと選手のメンタリティというか、『悔しいと思っているのか』みたいなところへの言及が多かった。チャレンジしなければいけないサッカーをやっていると思うが、展開や流れによって選手に中で舵取りさせるようなマイナーチェンジはあまりできていないのか?」

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