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日本代表 6年前

日本代表に早くも懸念…。失われた強化のチャンス、より明確になった招集基準。チリ戦中止の影響は?

text by 元川悦子 photo by Getty Images

より明確になった森保ジャパンへの招集基準

香川真司
クラブで出場機会を減らしている香川真司のような選手にとっては厳しい状況が続くか【写真:Getty Images】

 とりわけ、守備陣の植田と冨安は欧州組でインターナショナルマッチウィークしか招集できない人材だけに、やはり国際Aマッチで成長度を確かめておきたかったところだ。ロシアで奮闘した昌子源の負傷からの回復が大幅に遅れている今だけに、センターバックの底上げは必要不可欠なテーマ。

 10月は吉田を招集すると見られる分、枠が1つ減る。つまり、9月に出番のなかった彼らのどちらかが外れる可能性が高いということになる。コスタリカ戦後の週末を見ると、植田は出番なしに終わり、冨安はフル出場している。このままの流れだと、植田にとってはかなり厳しい状況だ。ロシアワールドカップに参戦したメンバーの1人として今後の巻き返しに期待したい。

 アタッカー陣もロシアワールドカップで主力だった香川真司はドルトムントでベンチ外が続き、ハノーファーへ移籍した原口元気もベンチスタートが続くなど、多くの選手が苦境に立たされているだけに、コスタリカ戦で輝きを放った若手にとっては大きなチャンスだ。

 短い出場時間で結果を出した伊東や、セットプレーの精度などで存在感を示した天野純、出番のなかった伊藤らも、クラブでコンスタントにピッチに立って結果を残せば香川らの巻き返しを阻止できる可能性がある。攻撃陣は人材豊富で、最も世代交代を促進しやすいポジション。実績のある面々でも、クラブで試合に出ていなければ、その時点で代表招集は見送りになるだろう。そういう基準が改めて明確になったのは、若手台頭によるプラス効果ではないか。

 いずれにしても、チリ戦が中止になった分、日本代表候補たちはよりクラブでのパフォーマンスに強くこだわるべきだ。そこが全てのベースになることを、より多くの選手たちに今一度、再認識してほしい。

(文:元川悦子)

【了】

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