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日本代表 6年前

森保ジャパンには夢がある。ウルグアイ撃破が生んだ希望、「即時奪回」がもたらした4得点

text by 舩木渉 photo by Getty Images, Shinya Tanaka

堂安が見せた切り替えの凄み

堂安律
堂安律はウルグアイ戦で日本代表初得点。ゴールシーンやドリブル突破以外でも攻守の切り替えの局面で抜群の存在感を発揮した【写真:Getty Images】

 3つ目のゴールは2-2に追いつかれた直後の59分だった。右コーナーキックを相手ディフェンスに弾かれ、こぼれ球を拾った柴崎のパスも相手にカットされたところ、堂安がすぐさまボールに寄せて奪い返す。

 そしてコーナーキックの流れでペナルティエリア手前に残っていた酒井へパスし、堂安は自ら動きを止めずにペナルティエリア内へ走り込んでいく。この時、カウンターに出ようとした瞬間にボールを奪われて“カウンター返し”を食らう形となったウルグアイの選手たちは、虚を突かれて堂安のゴール前への動きについていけず。

 ボールをもらった酒井は一瞬タメて、そこに右センターバックのコアテスが慌ててスライディングタックルにきた。マルセイユで輝く屈強な右サイドバックは、慌てず最後までタックルを引きつけて、優しいラストパスを走り込む堂安の足もとへ。

 20歳の若武者はワンタッチ目で百戦錬磨のセンターバック、ディエゴ・ゴディンの読みの逆を突き、得意の左足シュートをゴールに流し込んだ。この3点目でも、2点目同様に堂安のスムーズな攻撃から守備への切り替えが光り、彼自身の日本代表初ゴールに結びついた。

 勝利を決定づけた66分の4点目も、チーム全体に浸透した「即時奪回」の意識が功を奏した。

 ウルグアイのGKムスレラがスローインで味方にボールを渡し、1人目に対して柴崎が寄せる。そこではパスを出されてしまうものの、長友が受け手に対してプレッシャーをかけたことで前進は許さず、バックパスを選択させる。

 そのバックパスのリターンを受けた選手には、再び柴崎と遠藤航がはさみ込むような形で寄せてボールを奪うと、そのままカウンターへ。柴崎は顔を上げた瞬間、左サイドバックと左センターバックの中間で浮いていた南野へ強いパスをつける。

 南野のターンは決まらず、ここでもボールを失いかけるが、堂安が一瞬の切り替えで前線への展開を許さずボールを奪い返し、そのまま左足で強烈なミドルシュートを放つ。最後はGKの弾いたところに、南野が詰めて直近3試合で4つ目のゴールを奪った。

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