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アトレティコをも粉砕。ドルトムントの落ちぬクオリティ、ゲッツェがもたらす新たな可能性

現地時間24日に行われたチャンピオンズリーグ・グループリーグA組第3節、ボルシア・ドルトムント対アトレティコ・マドリーの一戦は4-0でホームチームが勝利した。エースであるパコ・アルカセルが不在の中でも落ちぬクオリティを発揮し、大勝を収めたドルトムント。その立役者はあの男だった。(文:本田千尋【ドイツ】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

スペイン人FW不在でも…

ボルシア・ドルトムント
A・マドリーに快勝したドルトムント【写真:Getty Images】

 80分が過ぎる頃——。シグナル・イドゥナ・パルクの一角に詰め込まれたアトレティコ・マドリーのサポーターたちは、すっかり静まり返っていた。電光掲示板に映し出されたスコアは、2-0でボルシア・ドルトムントがリード。それから遥々マドリードからやってきたスペイン人たちは、さらに打ちのめされることになる。

 83分、左サイドを抜け出したアクラフ・ハキミが、ゴール前でジェイドン・サンチョにプレゼント。新進気鋭のイングランド代表MFは、押し込むだけだった。3-0。
 89分、フィリペ・ルイスの中央へのパスを拾ったラファエル・ゲレイロが、左足でゴールの右隅に流し込む。4-0。ドルトムントは、ディエゴ・シメオネ率いるチームを大敗に追い込んだ。

 10月24日に行われたチャンピオンズリーグ、グループAの第3戦。ドルトムントは筋肉系の問題でパコ・アルカセルを欠いたが、変わらず攻撃陣が爆発。216分間で8ゴールと抜群の決定力を見せつけてきたスペイン人FWが不在でも、チームのクオリティは落ちなかった。

[4-4-2]の布陣において、アルカセルに代わってFWのポジションに入ったのは、マリオ・ゲッツェだ。ルシアン・ファブレ監督は、復調の兆しが漂う背番号10を0トップに配置。セカンドトップのマルコ・ロイスと、時に縦関係を構築しながら、前線でコンビを組んだ。この起用法は今季初の試み。相手がアトレティコであることを考えれば、博打にも近かった。だが、ゲッツェは見事期待に応えたのである。 

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