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日本代表 5年前

日本代表、今度は「長友&青山ロス」。吉田麻也らベテランの重要性。アジア奪還へ必要なこと

text by 元川悦子 photo by Getty Images

若手は強気の姿勢を見せるべき

 実際、長友がいなくなれば、3度のワールドカップ経験者はもはやゼロ。2度出場も今回は吉田と大迫勇也(ブレーメン)と酒井宏樹(マルセイユ)の3人だけだ。ロシア大会では3大会連続が長谷部誠(フランクフルト)、本田圭佑(メルボルン)含めて5人、2大会連続が6人もいる「おっさんジャパン」だったのに、半年も経たないうちにガラリと陣容が変わった。「長谷部&本田ロス」に続き、「長友&青山ロス」まで起きるとは、さすがの吉田や槙野も想定していなかったかもしれない。

「僕も長友選手から沢山の刺激やアドバイスをもらっている選手の1人なんで、彼が今回いないのはマイナス要素ではあると思う」と槙野自身も少なからず心細さを垣間見せていた。そんな不安は若い世代になればなるほど大きいはずだ。

 とはいえ、長友と青山という森保ジャパンの重要なポジションが空いたことは、若手にとってはチャンスでしかない。左サイドバックの佐々木翔(広島)とA代表初招集の山中亮輔(横浜FM)、ボランチ陣では追加招集の守田とアジアチャンピオンズリーグ(ACL)制覇で一気に株を上げた三竿健斗(鹿島)らにしてみれば、存在感を高める絶好の機会なのだ。

「(代表に来る前は)だいぶ緊張してました。怖い人がいないんでよかったと思います」と山中はいかにもA代表の新人らしい口ぶりを見せていたが、ピッチに立ったら遠慮している場合ではない。絶対的武器の1つである左足FKの迫力を示すべく、かつて本田が中村俊輔(磐田)に「蹴らせてくれ」と迫ったように、柴崎岳(ヘタフェ)や堂安律(フローニンゲン)ら他のキッカーに主張するほどの強気の姿勢を見せるべき。

 川崎フロンターレのJ1連覇の原動力になった守田やアジア王者を経験した三竿も短期間で自信をつけたはず。その自力を堂々と発揮してくれれば、吉田や槙野らベテラン勢も肩に力を入れることなく自然体でプレーできるだろう。年長者にさまざまな負担が行くような状況では、日本の8年ぶりのアジアタイトル奪還も叶わない。そこは全員が肝に銘じておくべき点だ。

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