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日本代表 5年前

権田修一が追い続けた川口能活の背中。日本代表としての責任胸に、作る独自のGK像

text by 藤江直人 photo by Getty Images

「日本代表のキーパーはいま変革期にある」

 個人的な思いを新たにした権田の鋭い視線は、ごく近い日本代表の未来へも向けられている。前述したように、フランス大会以降のワールドカップにおいて、日本代表の守護神は3人が務めてきた。ドイツ大会でもレギュラーを拝命した川口。初めて決勝トーナメントに進出した日韓共催大会の楢崎正剛。そして、南アフリカ以降の3大会で11試合連続、トータル1020分間で出場してきた川島永嗣だ。

 ワールドカップ以外の公式戦、コンフェデレーションズカップやアジアカップ、ワールドカップ・アジア予選を振り返っても、3人に西川周作が加わるだけになる。自分自身の国際Aマッチ出場数も「4」にとどまっている現状に、権田は「過去のことはどうしようもない」と努めて前を向く。

「世界レベルの大会に出た選手が、記録にも記憶にも残るのは当然のこと。そういう状況でいままで出ていた選手のイメージをもたれるのは仕方がないというか、だからこそ第一線できる選手たちが、日本にはこういう選手もいる、というところをどんどん見せていかないといけない。それはパフォーマンスもそうだし、キーパーとしてのタイプもそうだし、キーパー独特の雰囲気も含まれるかもしれない。

 日本代表のキーパーはいま変革期にあるというか、新しく選手が出てきている状況ですよね。そうしたタイミングで『やっぱり日本のキーパーはあの3人じゃなきゃダメだ』と言われればそこまでだし、今後のワールドカップで日本がより上位へ行こう、というのも無理な話となる。そこに対しては、選ばれている僕たちには責任があると思っています」

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