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Jリーグ 5年前

名古屋・相馬勇紀は“全勝の男”。不慣れなポジションも堂々、現役早大生のインテリジェンス【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

行き先の電車が来たら、乗らなくてはいけない

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相馬のモットーは「『結果』を出すこと」【写真:Getty Images】

「行き先の電車が来たら、迷わず飛び乗らなくてはならない」

 レアル・マドリーのレジェンドの1人、ラウル・ゴンサレスの言葉だ。行き先の電車が来たら乗るのは当たり前に思えるが、ラウルが言いたかったのは「決してチャンスは逃がすな」ということだ。

 サッカーは運に左右される。ホームで待っているだけで、立て続けに電車が来る人もいるかもしれない。だが、1本見送ってしまったが最後、二度と電車が来ない人もいる。だからチャンスが来たら、準備が悪かろうが体調が十分でなかろうが、絶対につかまなくてはならないというわけだ。

「大切なのは『結果』を出すこと」

 相馬はこれをモットーとしている。初出場でアシスト、初先発で決勝点、そしてすべての試合に勝っている。今のところ「結果」は抜群だ。

「大学からはずっと『結果』しか考えていない」(相馬)

 過程については冷静に自己分析し、明確に言葉にできる。過程は大事、しかし結果はもっと大事。

「大学4年の後期からペナルティーエリア内にポジションをとることを意識していました。(とっさにヘディングシュートしたときの)反応は自分でもびっくりするぐらい良かった」(相馬)

 電車が来たら必ず乗る。たとえ中1日でも、不慣れなポジションでも。

(取材・文:西部謙司)

【了】

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