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ドイツ代表、W杯のその後。カウンター型への移行も前途多難…旧世界王者に希望はあるか

text by 本田千尋 photo by Getty Images

リーグBへ降格も…未来への希望は薄れず

 今季から始まった新大会で勝ち点2という散々な結果に終わったが、レーブ監督はあくまで前向きだ。

「最後の結果に失望させられたとしても、私はネガティブなことよりも多くのポジティブなことを見出した。我々は規律が取れ、良く組織されていたね。我々は試合の中でテンポが高かったし、良いアイデアを持っていた。80分間、我々はオランダよりも良いチームだった。最後の10分間は、いささかぐらついたが、それはおそらく若いチームの値打ちというものだ」

 これまでコーチ時代も含めれば、ワールドカップを4回、EUROを3回に渡って戦ってきた指揮官からすれば、始まったばかりのネーションズリーグは、ちょっとしたミニ・トーナメントに過ぎないのかもしれない。かつてシャルケの監督を務めたオランダ人のフーブ・ステフェンス氏は、『ビルト』紙に「このネーションズリーグは早くも奇妙なトーナメントになっているね。私にとっては親善試合のままだよ」と、新大会の価値を疑問視するコメントを残している。

 およそ1ヶ月前、アムステルダムでオランダ代表に大敗した頃には騒がしかったドイツ・メディアも、勝ち点2でリーガB降格となった結果を、さほど深刻に受け止めている様子はない。11月20日付の『シュポルト・ビルト』電子版は、「レーブの若いスタイルはワールドカップで可能だったことを示した」と、ロシアの地でサネ、ニャブリ、ヴェルナーを中心とするカウンター型を使わなかったことに釘をさしつつ、やはり前向きだ。

「ヨギの若いスタイルで戦ったロシア代表戦とオランダ代表戦、11月の2つの試合は再び未来への希望と喜びをもたらした」

 たしかに「若いスタイル」でロシア代表に3-0で勝利し、オランダ代表から前半の内に2点のリードを奪い、80分までは優位に試合を進めている。だが遡れば、カウンター型の初戦となった10月のフランス代表戦では逆転負け。今回のオランダ代表戦でも、85分にフレンキー・デ・ヨングをリベロに下げ、ファン・ダイクをFWに上げたクーマン監督の布陣変更に対応することはできなかった。

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