マリノス大改革1年目は失敗なのか? 56得点でも残留争い、超攻撃的サッカーの行く末

2018年12月06日(Thu)11時29分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images
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得点パターンは確立されたが…

横浜F・マリノス
後半戦で勝つためのバランスを見出したが、それによるメンバーの固定化は新たな課題を露見させた【写真:Getty Images】

 例えばGKの飯倉大樹は開幕当初、90分間で走行距離が7km近くを記録して話題になったが、最終的には概ね5km台まで落ち着いた。それに伴って最終ラインの設定もやや下がり目になった。飯倉の1試合あたりのプレー関与回数が「平均46.42回」という高い水準で保たれていることからは、失点のリスクを減らしながらもGKを活用したビルドアップを継続するための方策だったこともわかる。

 攻撃的なスタイルは56得点という形になってあらわれ、得点パターンが確立された。ポステコグルー監督の戦術を実行する上で最も肝になるアウトサイドと中央の中間スペースに走り込んだ選手が、低くて速いクロスをゴール前に送り、逆サイドないし中央のストライカーが決める形は練習から徹底して仕込んでいたパターン。組織の熟成にともなって、定番の崩しとなっていった。

 実は同様の中間スペースへの侵入、高速クロス、それに詰めるというパターンはポステコグルー監督がかつてオーストラリア・Aリーグのブリスベン・ロアーを率いていた時代にも多く見られた。当時の同クラブはスペインの名門バルセロナに引っ掛けて“ロアセロナ”と呼ばれるほどのパスサッカーでAリーグを席巻し、就任2年目と3年目のシーズンはグランドファイナルを制してリーグ連覇も果たしている。

 ただ、指導哲学こそ不変なれどマリノスの場合はまだ1年目。そこで出た大きな課題の1つはメンバーの固定化だ。公式戦9試合を7勝1分1敗で駆け抜けた9月から10月前半にかけて、ここで継続的に起用されていた選手の組み合わせが、おそらく今季最も力を発揮した。

 GK飯倉、DFに右から松原健、ドゥシャン、チアゴ・マルチンス、山中亮輔、中盤アンカーに扇原貴宏、大津祐樹がインサイドハーフで走り回り、天野純が攻撃にアクセントをつける。右ウィングの仲川は絶好調でゴールを量産し、左ウィングの遠藤渓太も自信を深めてプレーの精度が向上。前線ではウーゴ・ヴィエイラや伊藤翔が仕事をする。

 彼らが躍動した約1ヶ月半の公式戦9試合でシュート数が二桁を切ったことは一度もなく、敗れた浦和レッズ戦以外は全て複数得点。3点以上奪った試合は4つもあった。だが、当然のことながらこれを見た他のチームは次の対戦機会に向けて対策を練り、マリノスにもけが人などが出てくる。そこで対策を上回る次の一手を打ち出せるほどの余力はまだなかった。

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