名波ジュビロ、残留へ幸運のラストチャンス。未来を懸けた大一番、カギを握るのは?【J1参入POプレビュー】

2018年12月07日(Fri)11時00分配信

text by 青木務 photo Getty Images
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ただの一戦ではない。未来を掴む戦いだ

 東京Vの攻撃はデザインされ、練習から落とし込んできたものだろう。一方で磐田のそれは、自由。悪く言えば場当たり的だが、個々に委ねられるその“余白”によって相手の想像を超えるプレーが生まれることもある。恐らく磐田の個人能力はJ2にないものだ。その利点を生かせる状況を自分たちで作り出せれば、J1残留も近づく。

「俺は戦術家じゃない」。名波監督は常々話していた。俺はモチベーターだ、と述べたことは一度もないが、集団を束ねることにおいて天賦の才があるのは間違いない。クラブの未来を懸けた一戦へ、指揮官はどのようなアプローチで選手たちを鼓舞するのか。監督就任初年度はプレーオフで敗退。翌年もJ2で厳しい戦いを経験した。J1に復帰した2016年は最終節で残留を決め、昨季はチームを6位にまで押し上げた。

 今季は思うようなシーズンではなかったが、今こそカリスマを発揮する時である。気持ちを切り替えて東京V戦に臨むのは当たり前、相手を研究し対策するのも当たり前。やるべきことを遂行した上で、名波監督はどのような言葉で選手たちを送り出すか。選手たちが自信を持って戦えるような精神状態に持っていってもらいたいものだ。

「今シーズンのレギュレーションに助けられた」と指揮官は言った。その通りである。 “外の目”を完全にシャットアウトしたサックスブルーは、運命の一戦へ着々と準備を進めている。ドローでも残留が決まるが、それを意識しすぎるとマイナスに働く。あくまで勝利を目指して戦うべきだ。

 ホーム・ヤマハスタジアムで、名波ジュビロはクラブの『未来』を掴む。

(取材・文:青木務)

【了】

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