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日本代表 5年前

森保監督の伝道師・青山敏弘。アジア杯3戦目、“ピッチ上の指揮官”が担うべき大役

text by 元川悦子 photo by Getty Images

青山がもたらすメリット

 ここまで出場機会のない青山や乾貴士(ベティス)、オマーン戦を回避した槙野智章(浦和)らは声を出してチームを盛り上げていた。ウズベキスタン戦はすでにイエローをもらっている権田修一(鳥栖)と酒井宏樹(マルセイユ)、南野拓実(ザルツブルク)と堂安律(フローニンゲン)は使いづらい。となれば、シュミット・ダニエル(仙台)や室屋成(FC東京)、武藤嘉紀(ニューカッスル)や伊東純也(柏)あたりはスタメン抜擢が濃厚と言っていい。

 さらに、指揮官としては、2試合連続フル稼働の長友や柴崎岳(ヘタフェ)らはできるだけ休ませたいと考えているはず。11人の半数以上をガラリと変えるとチームの軸が失われ、攻守両面のバランスが不安定になる恐れもあるが、森保監督は少なくとも5~6人はメンバーを入れ替えるのではないか。

 青山は柴崎と代わってボランチに入る可能性が非常に高い選手。その場合は遠藤航(シントトロイデン)とコンビを組んで、中盤をコントロールすることになる。

「昨日の(柴崎と遠藤という)ボランチの組み合わせは間違いなくよかった。今のベースはあの組み合わせだと思ってる。ただ、次のところでは、冨安(健洋=シントトロイデン)もそうだし、僕もそうですけど、彼らに食いついていくというか、結果を出せる選手じゃないといけない。次はホントにそうなれるかどうかのテストだと思う」と、森保ジャパン初陣の昨年9月シリーズでキャプテンマークを巻いた男はここが自分にとっての大きな正念場だと捉えている。

 青山がボランチに入るメリットはタテの意識がより一層、高まること。柴崎もここ2戦は浮き球や長短のパスを使い分けながらクサビを入れる努力をしていたが、青山の場合はもっとスピーディーで一瞬にして裏を取れるようなボールを数多く出せる。ウズベキスタンがオマーンほどのハイラインで来ない可能性も少なくないが、仮に伊東や武藤のような速さを武器とする選手がいれば、タテ関係のホットラインで1点が取れるかもしれない。

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