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日本代表 5年前

森保監督の伝道師・青山敏弘。アジア杯3戦目、“ピッチ上の指揮官”が担うべき大役

text by 元川悦子 photo by Getty Images

存在価値を示す必要がある

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「青山ここにあり」という存在価値を示す必要がある【写真:Getty Images】

 オマーン戦の南野もいいタイミングでボールを引き出す動きを再三見せていたが、肝心のゴールが奪えなかった。そこは本当に残念だった部分。青山が出るであろう次戦はその形を結実させられるように仕向けてほしいところだ。

 攻撃バリエーションをもたらすことだけでなく、守備の安定感を高めることも重要だ。

「重要なのは、チームのよさが出ない時にどうするか。いい時はみんないいけど、我慢する状況でどうチームを落ち着かせるのか、踏ん張りをどう利かせてどう戦うのかってのがもっと大事になってくると思う。『一度崩れるともうダメだ』となることだけは絶対したくないし、崩れる前にしっかりリスクマネージメントやっていきたいと思います」と青山も自らに言い聞かせるように語っていたが、鋭いカウンターを繰り出された時などはまさにそう。

 オマーン戦を見ていても分かる通り、中盤で不用意な失い方をした後の守りはまだまだ甘い。相手がサイドの高い位置からアーリー気味のクロスを入れてきた時も日本はギャップを突かれやすい。そのあたりは中盤のリーダーである青山が最終ラインに陣取るであろう槙野らとしっかり連係しながら、対応策を講じていくべきだ。

 森保監督の伝道師ともいうべき存在の彼は森保ジャパン発足後ずっと「フォア・ザ・チーム」を第一に考えてきた。恩のある指揮官のためならどんな仕事でもこなしたいという強い決意を持って今大会に参戦している。ここまではベンチからサポートする側に回っていたが、次はピッチ上の指揮官としてチームを動かす大役を担う。

 だからこそ「青山ここにあり」という存在価値を示す必要がある。卓越した戦術眼と冷静さを備えた32歳の頭脳派ボランチなら、その大仕事をしっかりと果たしてくれるはず。とにかくウズベキスタン戦に向けて最高の準備をしてほしいものだ。

(取材・文:元川悦子【UAE】)

【了】

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