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堂安律と冨安健洋、20歳がけん引する新たな日本代表。“東京五輪世代のリーダー”以上の存在へ

text by 編集部 photo by Getty Images

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堂安律と冨安健洋【写真:Getty Images】

【日本 1-0 サウジアラビア AFCアジアカップ2019・決勝トーナメント1回戦】

 日本代表は21日、AFCアジアカップ2019・決勝トーナメント1回戦でサウジアラビアと対戦し、1-0で勝利した。

 試合を動かしたのは20歳のセンターバックだった。前半20分、柴崎岳のCKに冨安健洋が頭で合わせ、日本に先制点をもたらした。その後はサウジアラビアにボール支配を許し攻め込まれたが、ここでも冨安が存在感を発揮。相手の前に立ちはだかり、クリアの質も高かった。吉田麻也、長友佑都、酒井宏樹と最終ラインを形成し、経験豊富な選手に助けられる場面もあるが、プレーのレベルは試合を重ねるごとに上がっている。

 同い年の堂安律も積極的な姿勢を貫いた。サウジアラビア戦では周囲との連係が合わず、やや空回りの印象もあったが、ゴールに向かう動きや得意の角度に入った時のプレーには可能性を感じさせた。ここまで初戦で挙げた1点にとどまっているが、そのゴールは『自分が決める』という決意を体現したものであり、その強気な戦いぶりはチームのアクセントになっている。

 共に、日本が初めてワールドカップに出場した1998年生まれの20歳。今回のアジアカップを戦う森保ジャパンでは最年少とはいえ、ふたりともレギュラー格だ。ベテランのサポートを受けながらプレーしている段階ではあるが、勝利に関わることもできている。すでに活躍の場は海外にあり、今後さらなる成長も期待できる。東京五輪世代の中心でもある彼らの存在は、ライバルたちを奮起させるはずだ。

 森保一監督は『世代間の融合』を掲げている。アジアカップではベテランが安定感を示し、冨安と堂安もチームに貢献している。それでも、融合のためには若手がさらに力をつけ、より多くの選手が台頭しなければならない。

 今冬、板倉滉と中山雄太がヨーロッパに移籍した。こちらも東京五輪世代の有望株であり、海外で結果を残しA代表でも居場所を得つつあるライバルに触発された部分はあるだろう。仲間たちがより高いレベルを目指す上でも、冨安と堂安は指標になるべき選手だ。

 最年少の2人は今大会の中でも成長の足がかりを見つけるはず。すでに周りを刺激する存在だが、東京五輪世代のリーダーとしてはもちろん日本サッカー全体をけん引する存在へと成長したいところだ。

【了】

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