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日本代表 5年前

「自分より全然いい」吉田麻也も感嘆する冨安健洋の才覚。20歳DFがアジアカップで示す成長速度

日本代表は21日、AFCアジアカップ2019決勝トーナメント1回戦でサウジアラビア代表と対戦して1-0と勝利を挙げた。この試合で値千金の決勝ゴールを挙げたのが20歳のDF冨安健洋であり、さらには相手を完封する守備陣の中心ともなった。今大会で急速に成長を遂げる冨安に注目したい。(取材・文:元川悦子【UAE】)

text by 元川悦子 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

瞬時の的確な判断で決めた一撃

日本代表
20分、日本はCKから先制点を奪取。決めたのは20歳の冨安だった【写真:田中伸弥】

「これまでの3試合も非常に難しい試合だったが、次はさらに厳しく難しい試合になると思います」と日本代表の森保一監督は強調していたが、21日の2019年アジアカップのラウンド16・サウジアラビア戦は想定をはるかに超える難易度の高いゲームになった。

 日本は立ち上がりから一方的にボールを支配され、開始10分間のポゼッション率は20%以下。ボールを奪う位置が低く、武藤嘉紀や南野拓実、堂安律らアタッカー陣がカウンターを狙おうとしてもシュートまで持ち込めない。

 その結果、再び自陣に引いて守らざるを得なくなるという苦境の連続。過去のアジアカップを紐解くと、日本は決勝トーナメント1回戦の早い段階で失点するという悪しきジンクスは続いていて、今回も同じミスを犯しそうなムードが漂った。

 その流れを断ち切ったのが、前半20分のリスタートからの得点だった。柴崎岳の左CKのチャンス。189㎝の吉田麻也がニアでマークを引き付けた瞬間、ファーに動いた188㎝の冨安健洋が手薄になったマークに頭1つ競り勝ち、値千金のゴールをゲット。サウジを突き放すことに成功したのだ。

「相手は今までゾーン+マンツーでやっていたのをマンツーに変えてきて、そこのギャップというのは生まれていたし、マンツーにしてはちょっとマークが緩いなと思っていた。(岳さんが)練習から本当にいいボールを蹴ってくれていたので、しっかりそこに合わせるだけでした」と背番号16は瞬時の的確な判断で決めた一撃であることを明かした。

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