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日本代表 5年前

アジアカップ準決勝、柴崎岳の“リベンジ”。本田圭佑の金言から3年、見せたい進化の跡

text by 元川悦子 photo by Getty Images

鍵を握る柴崎岳

 イランを倒そうと思うなら、相手の爆発的攻撃力を封じ、強固な守備ブロックをこじ開けなければならない。

 前者に関しては、エースFWサルダル・アズムンを徹底的にマークすることが最重要テーマ。長友も「彼は(元ブラジル代表の)カカに似ている」と警戒心を露わにしたが、この背番号20にいい形でボールを入れさせず、得点機を最小限にとどめなければならない。アリレザ・ジャハンハフシュら2列目も能力の高いため、日本は高度な組織的守りで応戦する必要がある。

 一方の攻撃は、今回こそスタメン復帰する大迫勇也を軸に連動した動きで変化をつけることが大事。「ワンツーとか3人目の動き出しが有効になってくる」と堂安律が言えば、長友も「大迫は2人、3人、4人目のプレーヤーを輝かせられる」と大きな期待を寄せている。まさに前線の大黒柱とも言うべき男をいかに躍動させる環境を築くのか。そこも見逃せない点だろう。

 タクトを振るうのは、もちろん背番号7をつける男・柴崎岳である。「イランはここまで失点ゼロですけど、決定機を作られている場面もあるし、穴はゼロではない。そこをしっかり突いていきたい」と彼は目下、相手の弱点を見極める作業に力を注いでいる。そのうえで鹿島アントラーズの先輩・大迫をどう生かすかを思い巡らせている。

「彼のボールキープ力は日本の武器になり得るし、そこから先の展開は正直言って他のFWとは違うレベル」と言い切る絶対的FWに、自身がどれだけ決定的なタテパスを供給できるのか。そこは試合の明暗を分けるポイントになりそうだ。

【次ページ】本田圭佑の言葉
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