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日本代表 5年前

アジアカップ準決勝、柴崎岳の“リベンジ”。本田圭佑の金言から3年、見せたい進化の跡

text by 元川悦子 photo by Getty Images

本田圭佑の言葉

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本田圭佑【写真:Getty Images】

 そんな柴崎は2015年10月のイラン戦(テヘラン)でホロ苦い経験をしている。武藤嘉紀の同点弾で1-1と引き分けたこの一戦。スタメン出場した当時23歳のボランチは「最近、代表の試合に絡んでいないので、自分自身のプレーを示したい」と意欲満々でアザディスタジアムのピッチに立った。が、屈強なフィジカルを誇る相手に球際でほぼ競り負け、ゲームメークに関与できず、決定的パスも出せずに後半26分で交代。

「自分がもっと前線に配球することが大事ですし、ゴール前での攻撃を増やさないといけない」と反省の弁を口にするしかなかった。何よりもデュエルを重視していたヴァイッド・ハリルホジッチ監督には物足りなく映り、柴崎はそこから約2年間もA代表から離れることになったのだ。

 この時、彼とともにこのイラン戦に先発した本田圭佑は「岳には岳にしかない特徴がある。それをもっと出すために、このレベルに慣れていかないといけない。別に岳がパワーをつける必要はないと思うし。実際、(アンドレス・)イニエスタはそこまで球際強くないけど、そうならない(球際や局面で負けない)うまさがあるんですよね。このプレッシャーをいなす形を普段の練習や普段の公式戦から身に着けていけばいいだけ。スピード、フィジカル、ドリブル、テクニックという部分がまだまだ足りないということ」と冷静に分析。当時国内組だった柴崎に飛躍のヒントを与え、暗に海外移籍を勧めていた。

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