試合の入りが悪く、敗戦
AFCアジアカップ2019の決勝で日本はカタールに敗れ、準優勝に終わった。ここまで時に苦しみながらも柔軟な戦い方で乗り越えてきた日本代表だったが、この試合ではスタートの入り方のまずさに加え、相手の3バックや中盤に対して守備のプレスがはまらず、そこから修正するまでに0-2にされてしまったことが誤算となった。
そして前半の途中、さらに後半とボールの主導権を握って攻め込んだものの、カタールのディフェンスを攻め崩しきれず、南野拓実の大会初ゴールにより1点返したものの、枠内シュートはその1本に終わった。
こうした結果に終わると日本の方向性に対する疑問、逆に勝ったカタールの方向性に対する称賛が起こるのは当然だ。戦術面など参考にするべき部分も多い。ただし、強化方針に関しては国には国の事情というものがある。
すでに多くのメディアで報じられている通り、人口264万人のカタールは国家的なプロジェクトとして2004年にアスパイア・アカデミーを設立し、アル・サッドなど強豪クラブの下部組織とともに育成部門の中枢を担ってきた。
そこからすでに多くの代表選手が輩出されているが、特に2017年からはバルセロナの元カンテラ指導者で、2006年からアスパイア・アカデミーに関わり、2013年からカタールのアンダーカテゴリー代表を指導してきたフェリックス・サンチェス監督がU-20、U-23、A代表の兼任監督に就任した。
今回のメンバーの中核を担うのはミャンマーで行われた2014年のU-19アジア選手権で優勝したメンバーで、そのチームを率いていたのがほかでもないフェリックス・サンチェス監督だった。徹底したエリート育成方式を取るカタールはアンダーカテゴリーの代表からA代表にステップアップする選手の割合が多い。