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日本代表 5年前

香川真司という良質なスパイスは、日本代表に何をもたらすのか? ピッチで表現すべき役割

text by 河治良幸 photo by Getty Images

香川の強みとは

 例えば前線に南野拓実が入るのか鈴木武蔵が入るのか、あるいは鎌田大地が抜擢されるのかでも違ってくる。南野であれば彼の推進力や局面の打開力を生かしながら、時に香川が追い越す動きで変化を付けることができる。

 鈴木であれば中盤でよりお膳立てをしてペナルティエリアで仕事をさせるようにすればシンプルに身体能力や積極性を生かしやすい。鎌田の場合は本職のFWとは異なり、香川と近い距離感でスペースを生かし合うような関係になることが予想される。

 サイドとの関係も左に中島が入る場合と乾貴士が入る場合ではまた違ってくるが、基本的には香川のところで1クッション入ることにより、左右の推進力をよりタイミングを見計らって出し入れしやすくなるかもしれない。

 またボランチの柴崎岳なども、これまではいかにシンプルに早く縦に付けるかを意識していたのが、香川の存在によって中盤でのキープを織り交ぜながら組み立てやすくなり、ボランチからの飛び出しなども増えてくる見通しは立つ。サイドバックの攻撃参加もしかりだ。

 ただし、そうした攻撃面の見通しも対戦相手との兼ね合いなしには成り立たない。その相手を見ながら効果的な攻撃を繰り出せることも国際経験を積み重ねて来た香川の強みとしてピッチに表れてくるはずだ。

 くしくもロシアワールドカップで対戦したコロンビアということで、監督はペケルマンからケイロスに代わっているが、もし起用されるなら、あらためて“森保ジャパン”で香川がもたらす効果をチェックしたい試合だ。

(取材・文:河治良幸)

【了】

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