韓国代表に至宝が続々…それでも起用できない理想と現実。難航するキ・ソンヨンの後釜探し
韓国代表は22日、日本代表に先駆けてボリビア代表と対戦し1-0で勝利を収めた。この試合には大きな注目が集まっていた。イ・スンウのみならず、イ・ガンインやペク・スンホといった次世代を担うであろう至宝たちが招集されていたからである。だが起用できなかった。長年チームを支えてきた柱が抜け、韓国は理想と現実の岐路に立たされている。(文:キム・ドンヒョン【韓国】)
2019年03月24日(日)11時57分配信
17歳の天才イ・ガンインが初のA代表入り
韓国代表にとって22日のボリビア戦は相当大きな意味を持っていた。
1月のアジアカップ、ベスト8でカタールに0-1の負けを喫して以来初の国内開催の国際Aマッチということはさることながら、真の意味の“テストマッチ”だったからだ。
まずはA代表引退を宣言したキ・ソンヨンやク・ジャチョルの穴埋め役探しが課題だった。過去10年間、韓国の中盤で大黒柱を務めてくれた2人はアジアカップ直後、代表から身を引いた。2人とも10代後半にA代表に抜てきされ、数々の国際大会を戦ってきた。
特に中盤の深いところからゲームを仕切り、時にはセンターバックのポジションでもプレーしたキ・ソンヨンがいないことは、韓国サッカー全体に響くものであった。今まで何度も彼の後継者を探してきたものの、なかなか新たな主人公を見つけることができぬままここまで来た。
結局、ボリビア戦は代えの利かない独特な存在であったキ・ソンヨンが本当にいない環境で挑む初めての試合となってしまった。
そこでパウロ・ベント監督が切り出したカードは韓国で大きな期待が寄せられる天才、イ・ガンインだった。
パウロ・ベント監督は自らスペインへ渡り、17歳にしてリーガ・エスパニョーラの名門、バレンシアのトップチームの一員である彼にA代表へ入るよう口説いたのである。
日本に例えると久保建英がA代表になったくらいの衝撃であろう。確かにそう見られない逸材だ。左足でボールを自由自在に操る天才の駆け上がりにファンやメディアがどよめいた。彼自身も「チャンスをいただいたことに感謝」といいながらも「チームに貢献できるようにベストを尽くしたい」と意気込んだ。