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Jリーグ 5年前

オールドファン胸熱の親子鷹。遺伝する才能はJにも、神戸GK前川黛也は近未来の日本代表候補【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

韓国代表GKに劣らぬパフォーマンス

 ヴィッセル神戸の前川黛也の父は、サンフレッチェ広島のGK前川和也である。GK親子ということではシュマイケルと同じだが、息子は最初からGKではなくフィールドプレーヤーだったそうだ。そのせいか足下の技術が高い。父のほうは日本代表の常連だった名GKだが、足下に関しては息子のほうが格段に上だ。もっとも父親はプロになってからバックパスのルールが変わっているので、当時のGKは皆ボールを足で扱うことには苦労していた。

 神戸のサッカーではGKに高いビルドアップ能力が要求される。前川は長短のパスを正確に蹴るだけでなく、相手の頭越しにふわりと通すようなパスも楽々とこなす。191cm、86kgの堂々たる体格は遺伝だろう。体格はGKにとって1つの才能であり、それを引き継げたのは大きい。

 神戸には韓国代表のキム・スンギュがいる。前川の出番は極めて限られてくるのが普通だが、イニエスタ、ビジャ、ポドルスキ、ダンクレー、サンペールを起用すると外国人出場枠を使い切ってしまう。そうした事情もあって前川が先発する試合も多い。ただ、前川のセーブ能力と配球力は韓国ナンバーワンGKに遜色ない。親子二代の日本代表が実現する可能性は高いのではないか。

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