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Jリーグ 5年前

磐田、ようやく掴んだ初勝利。序盤に見せた一工夫、2点目に象徴されるチームの決意とは?

シリーズ:週刊Jリーグ通信 text by 下河原基弘 photo by Getty Images

相手の狙いを逆手に取る

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今季リーグ戦初白星を挙げた【写真:Getty Images】

 この試合、入り方でも一工夫していた。「僕たちの中盤の選手の構成を見ると、僕や嘉人さんや泰士や(森谷)賢太郎と足元で受けるのが好きなタイプの選手がいる。(湘南は)ガンガンプレッシャーをかけて、リズムを作らせず、そこでボールを取って勢いづいてというのをゲームプランとして持っているだろうな」と山田。

 それを逆手に取り、「あえてロングボールを立ち上がり10分、15分くらい意識的に入れたりして、相手の前線からのプレッシングを発生させないように意識しながらやりました。そこがはまった部分もある」。連勝中の相手の勢いにのまれず、逆に立ち上がりからペースをつかめたことも大きかった。

 今季リーグ6戦目にして、ようやくつかんだ初勝利。「いろいろな意味で今日にかける気持ちは強かったし、それが結果に表れたのはよかったと思います。内容より結果が欲しかったですし、今日もこうやってアウェイで勝ち点3を奪えたことは次節以降にもつながると思います。今日の勝ちは大きかったと思います」と田口が話せば、山田も「結果が出てくれば必然的に状況は好転するかなと。ようやくですけど、勝ったのはよかったと思います」と笑みを見せた。

 次は宿敵・清水エスパルスとの大一番が待っている。名波監督は「(勝ち点)3ポイントというのは、チームにとっても選手にとっても、それからサポーターにとっても自信になると思うので、これを続けていきたいと思っています。欲を言えば、次のダービーにつなげようということをホワイトボードに2、3回書いていたので、ダービーでも勝ってさらに波に乗りたいと思っています」と、次戦に向けて意欲を見せた。

 山田も「エスパルスは状況的にもダービーということを差し引いても、死に物狂いで来ると思うし、本当に魂と魂がぶつかり合うような激しい試合になると思う。ダービーには人一倍強い思いがあるので、そういう意味で楽しみですし、そこで勝てればチームとしてもかなりいい状況にもっていけると思うので。自分たちにとっても大事な試合になると思います」と力を込めた。

(取材・文:下河原基弘)

【了】

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