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久保建英と“同じで違う”センス。U-20日本代表のキーマン、斉藤光毅が欲するものとは?【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

才能は結果にして見せつけるもの

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U-20ワールドカップでの活躍が期待される【写真:Getty Images】

 斉藤は「目に見える結果」を残したいとU-20ワールドカップへの抱負を語っている。「ドリブルや犠牲心」もつけ加えていたが、それよりも「目に見える結果」を先に言ったのは良い傾向ではないかと思った。

 これからのし上がっていきたい若い選手、とくにアタッカーには野心が必要だ。日本なら得点以外のチームへの貢献も評価されるが、ヨーロッパや南米では「結果(得点)」しか評価対象にならないといっていい。1部の上位クラブへ移籍すれば、得点以外のプレーも評価されるかもしれないが、そこへ到達するには1にも2にも結果である。センスの良さでは食っていけない。

 カズが独特の勝負強さを身につけたのも、若いころにブラジルで揉まれた経験があったからだろう。日本では「1人でやろうとしすぎる」「強引すぎる」と言われがちな姿勢も、のし上がろうとしている選手しかいない環境ならそれが普通。才能は見出してもらうものではなく、わかりやすい結果にして見せつけるもの。そのかわり得点すれば、わりと素直に評価してくれる。

 U-20ワールドカップが斉藤にとって「飛躍の大会」になるかどうかは、得点か得点に直結するプレーができるか次第だろう。チームの勝利にとっても必要だ。貪欲に「目に見える結果」を求めていくということでいいのではないかと思う。

(取材・文:西部謙司)

【了】

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