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Jリーグ 5年前

久保建英の図抜けた感覚。名手から2戦連発、17歳にして持つ「いつもの形」と底知れなさ

シリーズ:週刊Jリーグ通信 text by 下河原基弘 photo by Getty Images

長谷川健太監督も目を細めた

 だが、ここから久保はなかったはずのシュートコースを作り出す。左足に持ち替えて少しカットインし、福森が対応して足を伸ばすと、待ってましたとばかりに空いた股間の下を狙った。小さく速い足の振りで蹴り抜くと、ボールは相手GKの手をはじきゴールネットに突き刺さった。

「いいシュートでした。少ししかなかったコースに蹴ってきましたので。福と自分が守っているその間、“中途半端なとこ”を蹴ってきた。ほめるしかないですね」と韓国人GKは、そのアイデアとコントロールに脱帽した。そして足の振りの速さについて聞かれると、「そうですね。ドリブルもそうですし、短く細かくするタイプの選手なので、シュートもタイミング的にとりづらかったです」と肩を落とした。

 この技術とスピードとアイデアの詰まったビューティフルゴール。だが久保は「キーパーは全然見ていなくて、自分がいつも練習でやっている形にもっていくことだけを意識しました。決めなきゃいけない場面だったので、あまり意識することなくボールを自分のいいところに置いて、あとは蹴ったという感じですね」とこともなげに話した。

 2試合連続得点にも「いいことだと思います」と淡々と語るのみだったが、指揮官は「今日はサイドではあまり輝ききれなかったと思いますが、やっぱり建英のシュートの技術というところはいかんなく発揮してくれたと思います」と、そのクオリティーの高さと勝負強さに目を細めた。

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