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Jリーグ 5年前

FC東京、永井謙佑。ストライカーとして増す怖さと貫禄。成長の理由、日の丸を背負う効果とは

明治安田生命J1リーグ第18節、FC東京対ガンバ大阪戦が7日に行われ、ホームのFC東京が3-1で快勝した。雨が降りしきる中、持ち味の俊足だけなく、高い技術とゴール前の冷静さで2得点1アシストの活躍を見せたのがFW永井謙佑。約4年ぶりに日本代表に選出され“代表オーラ”をまとい、FWとしての歩みを進める30歳のストライカーに迫る。(取材・文:下河原基弘)

シリーズ:週刊Jリーグ通信 text by 下河原基弘 photo by Getty Images

落ち着きと貫禄に溢れる永井のプレー

永井謙佑
FC東京の永井謙佑【写真:Getty Images】

 当然のようにゴールを決めた。そう思わせるほどに永井謙佑のプレーは落ち着きと貫禄に満ち溢れていた。

 0-1の前半38分、左サイドを切れ込んだMFナ・サンホのクロスが相手に当たってこぼれると、ゴール中央で待っていたのは背番号11。左足でおさえて蹴りこむと、横っ飛びしたガンバ大阪GK東口順昭の虚を突くようにワンバウンドしたボールは、ゴールに吸い込まれていった。

「サンホががんばってくれたので。僕は詰めるだけでした」とチームメートの手柄を強調した韋駄天FW。報道陣から決して簡単なシュートではなかったのではと質問され、「叩けばいけるかなと。キーパーも練習とかでもああやって横に飛ぶことが多い。叩けばタイミングがずれるので、そしたら入るかな」と、日本代表守護神を手玉に取る技ありゴールの種明かしをしてくれた。

 さらにその2分後にも見せる。今度もナ・サンホからのクロスに対して、相手DFの前に入ると頭で合わせた。「2点目もサンホのクロスでした。うまく、あの時間帯で逆転できてよかったです」と笑顔。

 この試合、シュート2本で2ゴール、その精度の高さについて聞かれると「サンホ様様です」と、今度も味方を持ち上げた。後半15分にもFWディエゴ・オリヴェイラへのアシストを決めて全得点に絡み、連勝の原動力なった。

 このコメントからも分かる“いい人”ぶり。だがピッチ上で、そしてFWとしては時にマイナスに働くこともある。長谷川健太監督は「謙佑は人がすごくいいんで、抜け出してシュートを打てばいいのに、人にパスしちゃうというところが、昨年までたびたびあって。もっとゴールに向かってプレーしようという話をしました」と振り返った。

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