本田圭佑が口にした「自分は神ではない」の真意。4連敗のチームに起きているピッチ上の問題とは?

オランダ・エールディビジ第14節、スパルタ対フィテッセが現地時間24日に行われた。フィテッセに加入したばかりのMF本田圭佑は先発して81分までプレーしたが、0-2で敗れた。4連敗と苦しむチーム状況で、経験豊富な選手の必要性を本田は説いている。(取材・文:本田千尋【ロッテルダム】)

2019年11月25日(Mon)10時10分配信

text by 本田千尋 photo Getty Images
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本田圭佑がフィテッセにいる理由

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フィテッセの本田圭佑はスパルタ戦に先発出場した【写真:Getty Images】

 試合後、オランダ人の記者に対して、本田圭佑は言った。

「自分は神ではない」

 11月24日に行われたエールディビジ第14節、対スパルタ・ロッテルダム戦。本田にとっては記念すべき“再デビュー”戦となったが、フィテッセにとっては苦い敗北となった。これで4連敗。代表ウィーク明けの初戦を、モノにすることはできなかった。

 一進一退の攻防が続く中、30分にはセットプレーで、83分にはカウンターから、スパルタは要所要所できっちりとゴールを奪っていく。対するフィテッセは決め手に欠いた。トップ下のポジションで先発した本田は、前半、主に低い位置でボールを動かしたが、チーム全体のテンポは上がらない。連敗中で「少し自信を失っている」というフィテッセの選手たちは、「ピッチ上で」イメージを共有できていなかったようだ。

 本田が言う。

「信頼関係というよりも、少し自信を失っていますね。例えばピッチ上で選手たちが違うことを考えたりする。一人が速く行こうと思っているときに、別の選手は遅くしたいと考えたり、そういうこと。自分の経験上、チームがそういう風にプレーすると結果が出なくなる。今日はそれが起こりました。でも言い訳はできない。前に進み続けなければいけないですし、どうすれば状況を改善できるかを考えないといけない。それが自分がここにいる理由でもあるのでね」

半年ぶりの公式戦

 後半に入ると本田は、前半に比べれば高い位置でプレーに関与した。48分には、しっかりとしたボールキープから、リーヘドリー・バズールのミドルシュートを演出。56分には、マトシュ・ベロが奪ってこぼれ球となったボールを、ペナルティエリア内で左足でシュート。しかしボールはGKアリエル・ハルシュの正面に飛び、チャンスを決め切ることはできなかった。

 レオニード・スルツキ監督の期待を一身に、背番号33は守備面でも精力的に走ったが、80分にボールを奪われてカウンターを食らうと、お役御免。81分にナバロン・フアとの交代で、本田は“初戦”のピッチを退いた。

 連敗中のフィテッセを救うことはできなかったが、“金髪のトリックスター”を責めることはできないだろう。何せ、およそ半年ぶりの公式戦なのだ。その間、個人トレーニングを欠かさなかったとは言え、それだけブランクがありながら新チームに加入直後の公式戦で80分近くプレーしたことは、驚異的と言えるのかもしれない。スパルタ戦で本田は違いを見せることはできなかったが、この状況でチームを勝利に導く活躍ができる選手がいるとすれば、神以外の何者でもないだろう。

「自分一人ではこの状況を変えられない」

 本田は言う。

「自分は神ではないので、自分にできることに集中しないといけない。自分のことは分かっているし、どうやってチームの力になれるかも分かっています。これまで多くのチームでこのような状況を経験してきた。だからこの状況を変えられると前向きに考えているし、それが自分がここにいる理由ですね」

 そして本田は「自分一人ではこの状況を変えられない」とも言う。

「周りに賢い選手も必要ですね。自分やブライアン(・リンセン)、(マトシュ・)ベロといった経験豊富な選手たちが必要。時間も必要ですね。これから経験豊富な選手と話し合っていくつもりです。若手ではなくてね。彼らだけでこの状況を変えるのは早すぎる。そして自分のプロジェクトを少しずつ始めていきたいと思いますね」

 「自分のプロジェクト」。本田自らが主体となって、リンセンやベロといった経験豊富な選手、スルツキ監督を巻き込み、連敗を阻止すべく動いていく。

 そしてフィテッセの連戦連敗が止まった時――、本田の東京五輪への挑戦が、本当の意味で幕を開けるのかもしれない。

(取材・文:本田千尋【ロッテルダム】)

【了】

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