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Jリーグ 4年前

コンサドーレ札幌、評価分かれるシーズンに。リーグ屈指の攻撃力は健在も明暗分けたのは?【2019年Jリーグ通信簿】

今シーズンのJ1リーグも全日程が終了した。この1年を振り返り、各クラブはどのようなシーズンを過ごしたのだろうか。今回は、ルヴァン杯決勝に初進出をした北海道コンサドーレ札幌。(文:編集部)

シリーズ:2019年Jリーグ通信簿 text by 編集部 photo by Getty Images

攻撃的なスタイルは健在

コンサドーレ札幌
北海道コンサドーレ札幌【写真:Getty Images】

 昨季のリーグ戦は怒涛の快進撃を見せ、4位で終えた北海道コンサドーレ札幌。今季もやってくれるかもしれないと期待を寄せたサポーターは多かったはずであるが、リーグ戦の結果を見れば期待外れとなった。

 今季開幕前、これまでチームを支えてきた内村圭宏と河合竜二を始め、ストライカーの都倉賢が抜けたことでチームは新たなスタートを切ったと言える。そのような状況の中、今季の札幌は開幕から安定感を欠いた。

 開幕戦は湘南ベルマーレを相手にまさかの敗北を喫したが、その後の2試合で勝利を収めた。しかし続く鹿島アントラーズ、名古屋グランパス、大分トリニータ戦で3連敗。開幕6試合で得た勝ち点は「6」とスロースタートとなってしまうが、そこから4連勝を飾るなど調子の波が非常に激しかった。

 シーズンの中盤戦も安定感があったとは言い難く勝ち点を積み上げることが出来ない試合が多かった。そして終盤戦で大ブレーキがかかる。9月に入ってから最終戦までの9試合で2勝1分6敗と大きく負け越してしまう。その内、ホームで5試合を戦ったが、白星を挙げた試合は第30節の名古屋グランパス戦のみとなった。

 確かに鹿島アントラーズ、横浜F・マリノス、川崎フロンターレなど上位陣を相手にする試合があり、決して楽というわけではなかった。しかしジュビロ磐田やベガルダ仙台に敗戦してしまうなど、取りこぼす試合があったのも事実だ。

 ミハイロ・ペトロヴィッチ政権になって2年目を迎えたことで、昨季よりも攻撃の厚みが更に増した。中でも攻撃陣を牽引したのが、日本代表に定着化しつつある鈴木武蔵だ。昨季はV・ファーレン長崎で11ゴールを決め、今季から札幌に加入。新参者ながらチーム最多の13ゴールを決める活躍を見せてくれた。

 そして新加入のアンデルソン・ロペスとルーカス・フェルナンデスがチームにフィットしたことも札幌にとっては大きかったはずだ。また忘れてはならないのが、昨季から活躍を見せている菅大輝の存在だ。今季も左サイドを縦横無尽に駆け上がり攻守に渡り活躍を見せてくれた。

 その一方で失点数の多さが気になる。攻撃的なサッカーに失点は付き物だが、失点数「49」は無視出来る数字ではない。上位へ食い込むためにも失点数を減らす必要がある。

 リーグ戦だけを見れば満足できないだろうが、JリーグYBCルヴァンカップ決勝に初進出をしたことを考えれば概ね満足出来るシーズンであったはずだ。同大会の結果は川崎と激しい撃ち合いを演じた末、PK戦で惜しくも破れてしまった。タイトルこそ獲得は出来なかったが、来季に向けて明るい材料となった。

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