フランクフルト、長谷部誠はいつも通り秀逸だった。無得点の鎌田大地に欠けていたのは…【EL】

UEFAヨーロッパリーグ(EL)ラウンド16・2ndレグ、バーゼル対フランクフルトが現地時間6日に行われ、1-0でバーゼルが勝利。連勝で準々決勝進出を決めた。鎌田大地はフル出場し、長谷部誠は後半から出場。しかし、バーゼルのタイトなディフェンスと鋭いカウンターに、フランクフルトは手を焼いた。(文:加藤健一)

2020年08月07日(Fri)9時42分配信

text by 加藤健一 photo Getty Images
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フランクフルトは逆転を狙ったが…

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【写真:Getty Images】

 アイントラハト・フランクフルトが奇跡を起こすことはなかった。バーゼルに連敗を喫し、UEFAヨーロッパリーグ(CL)はラウンド16で姿を消している。

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 この試合で長谷部誠はベンチスタートとなっている。リーグ戦終了後に日本に帰国して膝の関節遊離体除去の手術を受けたが、先月31日のテストマッチで実践復帰している。しかし、アディ・ヒュッター監督は主将のダビド・アブラアム、マルティン・ヒンターエッガー、エバン・エヌディカの3人を最終ラインに並べた。

 フランクフルトは1stレグやザルツブルク戦の4-3-3ではなく3-4-1-2の布陣を採用し、鎌田大地はトップ下に入った。ただ、自陣で攻撃を組み立てるときにフランクフルトは4バックに変形し、左ウイングバックのフィリップ・コスティッチが1列上がり、鎌田はインサイドハーフのようなポジションを取っている。

 バーゼルは1stレグを3-0で勝利しているが、引きこもるようなことはしなかった。自陣でコンパクトなブロックを築いて相手の攻撃を待ち構え、ボールを奪ったら前掛かりになった相手の裏を取ってカウンターを仕掛ける。4-2-3-1の前線4人だけでなく、サイドバックも積極的に攻め上がっている。リーグ戦を3位で終え、3シーズンぶりのCL出場権を逃したバーゼルからは、ELに対する強い意欲を感じた。

秀逸だった長谷部誠

 3点以上が必要なフランクフルトは立ち上がりから積極的に前へとボールを運んだ。縦パスを起点に、バス・ドストのポストプレーから鎌田大地やウイングバックが拾ってアタッキングサードに侵入する。しかし、中央を絞めるバーゼルの守備は固かった。試合を通じて放った21本のシュートのうち、1/3がディフェンスのブロックに阻まれている。

 0-0で前半を終えたフランクフルトはハーフタイムに2つの交代枠を使う。相手のタイトな守備に存在感を消していたアンドレ・シウバを下げて空中戦に強いゴンサロ・パシエンシアを入れ、エヌディカに代えて長谷部を投入。手術明けの長谷部が90分間プレーできないとすれば、後半開始からの起用はチームにスイッチをいれるためにヒュッター監督が準備していたものかもしれない。

 長谷部はいつも通りだった。フランクフルトが前半より前掛かりになることで必然的にカウンターを浴びる機会は増えたが、絶妙な間合いでカウンターを遅らせた。秀逸だったのはクロスに対するポジショニングで、バックステップを踏みながら、クロッサーとターゲットの間に入ってコースを消している。

 長谷部がいなければ、フランクフルトは早々に失点していただろう。前半と後半の安定感は対照的で、長谷部がピッチにいることの意味を改めて感じた試合だった。

鎌田大地に足りなかったのは…

 3-4-1-2のトップ下は鎌田が活きるポジションだと思う。ハットトリックを達成したザルツブルク戦は4-3-3の右ウイングだったが、攻撃時はトップ下に近いポジションを取っていた。

 抜群のスピードや巧みなドリブルはないが、360度のアングルがある状態でディフェンス間でボールを受けるプレーはうまい。ドストのポストプレーを受けて前を向いたときや、ハーフスペースのライン間でボールを受けたときは可能性を感じさせた。

 フランクフルトの他の選手と同様に、鎌田には決定力が足りなかった。そう言ってしまえば簡単なのだが、実際はコンパクトなディフェンスを90分間遂行したバーゼルが上手だったと表現した方がいい。バーゼルは今季のスイス・スーパーリーグでリーグ最少の38失点で、ELでは大会記録となる5戦連続のクリーンシート(無失点)をこの試合で達成している。

 さらに、コンディションの差も大きかった。バーゼルはリーグ戦から中2日だったが、その最終節では多くの主力を休ませていたので、コンディションは万全といっていい。対するフランクフルトは、リーグ戦終了から1か月以上空き、オフを挟んでこの試合に臨んでいる。時間と経過とともに足は止まり、終盤に失点を喫して万事休すとなった。

 6月下旬にリーグ戦を終えたフランクフルトにとって、この試合は新シーズンに向けた始まりとも捉えることもできる。長谷部は「新しいシーズンでいいスタートを切るために、準備に集中しなければいけない」と言った。現役ラストシーズンとなるかもしれない20/21シーズンに長谷部は照準を合わせている。

(文:加藤健一)

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【了】

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