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日本代表の3バックが機能しない。なぜ攻撃が停滞したのか? 左WBが原口元気だと…

text by 編集部 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】

【日本 0-0 カメルーン 国際親善試合】

 国際親善試合、日本代表対カメルーン代表の試合が9日に行われた。試合は0-0の引き分けに終わっている。

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 海外組の選手にとってはおよそ1年ぶりとなる国際試合で、日本代表は2つの布陣を用いた。前半は慣れ親しんだ4-2-3-1で、後半は3-4-2-1でプレーしている。

 不参加となった長友佑都に代わって安西幸輝が左サイドバックに入り、酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋が先発。センターバックの立ち位置がこれまで異なり、右が吉田で左が冨安。所属クラブでのポジションが反映されている。

 3バックは右から酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋という並び。酒井はハイボールの競り合いにも負けず、1対1の局面でも落ち着いて対応していた。マッチアップしたカール・トコ・エカンビは1-1の引き分けに終わった4日のリヨン戦でも対戦したが、この試合では酒井に軍配が上がったと言っていいだろう。

 冨安も左でのプレーをきちんと心得ている。左足でボールを持つことができ、左足でのフィードも見せていた。持ち運びにかんしては昨季のサイドバックでの経験が生きており、1対1の対応でも苦戦することはなかった。3バックになったことで中央の吉田は縦へ積極的にチェックすることができ、相手の縦パスをインターセプトするシーンが何度かあった。

 欧州での経験が豊富な吉田、リーグ・アンでアフリカ系の選手との対峙に慣れている酒井、そしてセリエAで評価を高めている冨安。3人のいずれかが欠けた際の層の薄さは否めないものの、3バックは3人の特徴が活かせるオプションだった。

 しかし、この試合では攻撃陣が不発で、決定機もそれほど作ることができなかった。安定感のあった守備とは対照的に、3バックによる攻撃面での収穫は少なかった。

 後半からピッチに立った伊東純也は、右ウイングバックで躍動していた。カメルーン代表の選手にも負けないスピードで縦に突破し、アタッキングサードに侵入している。ラストパスの部分で精度を欠いたものの、そこに至るプロセスは十分評価できるものだった。

 右サイドとは対照的に、左サイドからは効果的なチャンスを作る場面が少なかった。

 ウイングバックの原口元気、センターバックの冨安、シャドーの南野拓実、ボランチの柴崎岳と、左サイドには右利きの選手が揃っていた。原口は右サイドでは縦に勝負できるが、逆足となる左でプレーするときはカットインを狙う傾向がある。森保一監督は試合中にしきりに「ワイド」という言葉を発して促していたが、右サイドの伊東のようにDFラインの裏を取ったり、縦に仕掛けられる選手がいなかったことで、ポジションが重なってしまった。

 後半途中に投入された久保建英が左に入ったことで多少は問題が解決されたが、根本的には課題が残る結果となった。3バック時の攻撃を機能させるためには、縦に勝負できる左利きのウイングバックが必要かもしれない。

【了】

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