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中村憲剛、ラストゲーム不出場も後悔なし。「次のステージに向かうチーム。これはこれで良い筋書き」

text by 編集部 photo by Getty Images

中村憲剛
【写真:Getty Images】

 天皇杯決勝の川崎フロンターレ対ガンバ大阪戦が1日に行われ、1-0の勝利を収めた川崎Fが優勝を飾った。この試合が現役最後の試合となった川崎Fの日本代表MF中村憲剛が試合後の会見で思いを語った。

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 今季限りでの引退を表明していた中村は、結果にかかわらず最後の試合となる天皇杯決勝にベンチスタート。だがチームが55分に三笘薫のゴールで先制したあと、鬼木達監督は中村以外の選手で3回の交代枠を使い切り、中村は試合中のピッチに立たずに試合を終えることになった。

 中村は不出場に終わったことについて「残念だというのは俺も含めて全員思っていたと思う」と認めつつ、「それはしょうがないので。それもサッカーかなと」と試合後にコメント。「個人的な感情は抜きにしないと。最後はみんな守ってくれって思っていました」と語り、優勝を決めるホイッスルが鳴った瞬間には「ホッとしました」と振り返った。

 多くのチャンスを生み出しながらもなかなか先制点を奪えない展開から、三笘が均衡を破った時には「やっと決まった、出れると思った」と中村。だが1点差のまま迎えた終盤にはG大阪が押し込む時間帯もあり、自分自身が出場しないことも含めた最善の選択をチームとともに考え続けることで「最後まで90分間、頭フル回転で戦い続けた」とラストマッチを表現した。

 試合後には鬼木監督からも「出させてあげたかった」と言われたとのことだが、「それは監督判断だから。俺でもそうするなって思いました」とのこと。今季の戦いぶりやこの試合を通して成長した姿を見せた川崎Fは「もう次のステージに向かうチーム」であり、「2020シーズンで止まる人間がどう関与していくか。監督も考えに考え抜いたと思う。これはこれで良い筋書きだった」と納得している。

 出場はなくとも現役最終戦でクラブにとって悲願だった天皇杯優勝と複数タイトル獲得を成し遂げ、「こんな幸せなサッカー選手はいないと思いました。感謝しかありません」とチームメートや関係者全員への感謝を強調。引退に寂しさを感じることは認めながらも、18年間のキャリアもその終え方も幸せなものだったという思いを笑顔で語った。

【了】

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