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日本代表戦で海外組の自主隔離免除、対戦国も入国可能に。政府と調整…完全隔離の“バブル”で開催へ

text by 編集部 photo by JFA

日本代表
【写真提供:日本サッカー協会】

 日本サッカー協会(JFA)は18日、オンラインでメディアブリーフィングを開催し、須原清貴専務理事が今月末の日本代表戦に向けた感染症対策の概要を説明した。

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 現在、日本では新型コロナウイルス対策の一環として新規外国人の入国を全面的に中止している。そんななか、日本代表とU-24日本代表が3月末に国内で2試合ずつ戦うことが発表されていた。

 韓国代表やモンゴル代表、U-24アルゼンチン代表に加えて審判員などの入国と自主隔離措置の免除が認められるかは試合開催に向けて重要なポイントだったが、JFAはスポーツ庁をはじめとした関係省庁と綿密な調整を重ね、「JFAの責任下において厳格な防疫措置を講じることを条件に」特例を認められるに至った。

 前提として日本代表や各国代表チームは外部から完全に隔離された環境、いわゆる「バブル」に入って活動することになる。さらに試合前後の検査体制も通常より厳格になっている。

 日本代表はは海外から入国した選手およびスタッフと、国内組の選手たちおよびスタッフが練習や試合時以外に接触することはできなくなる。ホテルでは海外組と国内組のフロアが分けられ、食事会場も別、練習時のロッカールームや移動のバスなども別々になるという。ミーティングなどでも極力海外組と国内組とが距離をとった形で行うよう配慮されるとのこと。

 海外から帰国する選手たちは、出国前72時間以内にPCR検査を受けて陰性が証明されてから移動を開始し、日本に入国する際も空港内で抗原検査を実施。入国の翌日から3日目まで毎日、新型コロナウイルスの検査を行い、そこで陰性が証明されてから練習などへの参加が可能になる。

 国内組の選手たちも宿舎に到着した時点で新型コロナウイルスの検査を受け、陰性が証明されてからチーム活動に参加可能となる。毎日の検査で陰性が証明されなければ練習に参加できないのは海外組と同様だ。

 相手国も含め海外から入国する選手たちは、入国翌日から3日目の検査で陰性が確認されてからでなければ試合には出場できない。例えば月曜日(22日)に入国した場合、翌日の火曜日(23日)から検査をスタートし、木曜日(25日)の検査で陰性であれば、同日の日韓戦に出場可能になる。仮に入国が火曜日(23日)となった場合、日韓戦にはには出場できない。

 韓国代表など対戦チームにはJFAから連絡係となる人間が2人帯同し、入国から出国まで一般との接触を完全に避ける形で動くことになる。

 宿泊ホテルはフロア完全貸切となり、セキュリティも同行。選手たちには1人部屋が用意される。また一般とは移動の導線も完全に別となり、練習会場と試合会場以外への外出は認められない。移動に使うチームバスも、ドライバーが新型コロナウイルスの検査を受け、マスクを着用。選手およびスタッフとの接触を厳に避けて業務にあたる。

 東京から北九州への移動があるU-24アルゼンチン代表にはチャーター便を用意し、他のチームも含めてあらゆる移動に公共交通機関は使用しない。

 対戦相手国にも日本代表の海外組と同様、入国翌日から3日連続で新型コロナウイルスの検査が求められ、全てで陰性と判定されなければ試合に出場することはできない。

 代表活動終了後のフォローも徹底して行う。試合後にも新型コロナウイルスの検査が行われ、そこで陰性が証明されたのち、宿舎を出ることが可能に。海外組や対戦相手国の選手たちは検査で陰性が証明されてから出国し、国内組も同様の条件で所属先に戻っていくことになる。

 国内組の選手たちは、代表活動を終えて自宅あるいは所属先に戻ってから3日目、あるいはJリーグの試合前、そして活動終了の14日後にも新型コロナウイルスの検査を受けることが義務付けられる。

 チーム練習への参加は代表活動終了直後から可能だが、Jリーグでの試合出場は自宅に戻った翌日から3日目以降に認められる。そのため今月30日に予定されているカタールワールドカップアジア2次予選のモンゴル代表戦でメンバー入りした場合、その日中に帰宅しない限り、4月2日に行われる試合(J1ではセレッソ大阪対サガン鳥栖)には出場できない。

 例えばモンゴル戦の翌朝帰宅した場合、チーム練習にはその日から参加できるが、Jリーグでの試合出場は4月3日以降に可能となる。また、海外組の選手たちに対しても活動終了から14日間は引き続き健康状態のモニタリングを行うとしている。

 今回の“バブル”によって行動には厳しい制限が設けられることになる。だが、日本代表やU-24日本代表が無事に試合を開催できれば、コロナ禍で他のスポーツ団体が海外からの選手やチームを受け入れるにあたっての指針づくりに大きく寄与することができる。

 日本代表は25日に韓国代表との国際親善試合を行い、同30日にはカタールワールドカップのアジア2次予選でモンゴル代表と対戦。一方、東京五輪を目指すU-24日本代表は26日に東京、229日に北九州で、U-24アルゼンチン代表と2試合を戦う。

 なお、4月に予定されているなでしこジャパンの活動においても、今回と同様の防疫措置が実施される予定。来日するパラグアイ女子代表やパナマ女子代表にも、外部から完全に隔離されたなかでの活動が求められる。

【了】

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