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ブンデスリーガの消えた逸材たち。天国から地獄へ…才能を開花させられなかった5人の選手

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

内田篤人と築いた“兄弟”の絆

キリアコス・パパドプーロス
【写真:Getty Images】



キリアコス・パパドプーロス(元ギリシャ代表)

生年月日:1992年2月23日
現所属クラブ:ロコモティヴァ(クロアチア1部)

 ギリシャの強豪オリンピアコスで15歳283日というリーグ最年少デビュー記録を打ち立て、2010年夏にシャルケと4年契約を結んでドイツに上陸する。新天地では18歳ながら圧倒的な対人の強さを発揮し、チームメイトの内田篤人とも兄弟のような絆を築いた。

 そんな将来有望なギリシャ人センターバックの成長を阻んだのは度重なる負傷だった。2012年末にはひざの故障で手術を受け、復帰まで約1年の長期離脱を強いられた。その後もひざや肩の負傷を繰り返しながら、復活を期した2014/15シーズンはレバークーゼンへ期限付き移籍する。

 ただ、レバークーゼンでも負傷との戦いは終わらなかった。シャルケ時代に痛めた肩の負傷を繰り返し、リーグ戦は14試合の出場にとどまった。さらに地元メディアのインタビューの中で自身の在籍当時シャルケを率いていたイェンス・ケラー監督を「なぜチャンスをもらえなかったかわからない。彼は僕を信頼していない」と痛烈に批判するなど、シャルケとの関係性も悪化した。

 結局2015年夏にレバークーゼンへ完全移籍した後もトップフォームを取り戻せず、2016年夏からはRBライプツィヒへ期限付き移籍し、半年後にはハンブルガーSVへと貸し出される。完全移籍に切り替わった2017/18シーズンは珍しく大きな負傷もなくリーグ戦29試合に出場したが、チームは史上初の2部降格となってしまった。

 さらに2018/19シーズンは開幕前にひざの軟骨損傷で手術を受け、2019年3月まで離脱。そこから復帰して1試合出場した後、再びひざに問題を抱えてシーズン終了。2019/20シーズンは完全に構想外となってセカンドチームで2試合に出場したのみになっている。

 冬の移籍市場では上海申花への加入が噂され、実際に中国まで赴いて練習にも参加していたが、クラブ側が急に関心を失ったのか契約に至らず。ロシアのディナモ・モスクワ移籍の可能性も取りざたされたが、結局市場閉幕までに取引がまとまらずハンブルガーSVに残留。その後退団し、現在はクロアチア1部のロコモティヴァに所属している。

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