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日本代表 3年前

U-24日本代表で学ぶボランチの絶対条件とは? 田中碧は「もっとこだわらないといけない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

田中碧が「こだわらなければいけない」こと



 ただ、現状でのあくまで絶対的な軸は遠藤航。それは厳然たる事実だ。熾烈を極めそうなのはパートナー争い。目下、A代表にはご存じの通り、3月シリーズから急激に存在感を高めている守田英正がいる。橋本拳人も昨年11月のオーストリア遠征以来の合流で、ロシアで1年間を過ごしてダイナミックさに磨きをかけた印象だ。

 スペイン1部昇格プレーオフ参戦などの事情で2021年は一度も呼ばれていないが、2018年ロシアW杯主力だった柴崎岳も実績面では圧倒的。30代に目を向ければワールドカップに2回出場している山口蛍らも好調を維持している。

 若手ナンバーワンの田中碧といえども、最終予選以降のA代表定着が確約されたわけではない。が、今回のガーナ戦を見る限りでは、主力ボランチの一角に入り込むだけのポテンシャルは十分感じさせた。今回、遠藤航と組んだ貴重な90分間を自分なりにフィードバックして、攻守両面で精度を高めていくことが、成功への早道と言っていい。

「碧は前につけるボールの質にもっとこだわらなければいけない。たぶん川崎はほとんど勝っていて、ゲームをコントロールする時間が長いと思いますけど、負けている時にどういうプレーが効果的か、ボールを奪いにいけるかどうかというところももっともっと見たいと正直、思いますね」

 吉田は試合後、田中碧に注文をつけていた。確かに五輪本番で対峙する南アフリカ、メキシコ、フランスは、ガーナ戦のように60%以上のポゼッション率にならないだろう。そういう時こそ、田中碧の真価が問われてくる。遠藤航に匹敵する攻守両面の強度を出せるのであれば、本当にA代表レギュラーも見えてくる。

 熾烈な競争の中で「田中碧が遠藤航のパートナーでなければならない理由」を明確に示せるか否か。そこに注目して、12日のジャマイカ戦以降のパフォーマンスも見極めたいものだ。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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