J2の寵児に? 京都サンガF.C.が目指すものとは。チョウ・キジェ監督が狙う究極の…?【データアナリストの眼力(3)】

2021年06月23日(Wed)9時00分配信

text by 庄司悟 photo Getty Images
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“異端のアナリスト”庄司悟は6/7発売の『フットボール批評issue32』で、第10節までの数値をもとにJ2全22クラブのコンセプトを「一枚の絵」にした。今回は批評32の続編として、チョウ・キジェ監督が率いる京都サンガF.C.が実践する究極の「エコ・フットボール」の正体を全3回で暴いてみせた。今回は第3回。(文:庄司悟)

究極の「エコ・フットボール」を標榜しているのか

図2
図2

 再度、図2のグラフを見ていただきたい。京都は徐々にパス成功率の平均値を上げていっているのがわかる。正味時間は少なくてよい、ただし、パス精度は上げていこう。正味時間、パス成功率ともに高い新潟、正味時間、パス成功率ともに低い秋田、栃木にも属さない、まさに「オレ流」の道を京都は進んでいる。

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 図1の座標軸で言えば、今後、京都は真上にある左上のゾーンに単独で突き進んでいくはずだ。もしかするとチョウ監督は、現在の社会を意識するように、究極の「エコ・フットボール」を標榜しているのかもしれない。もちろん、それも持続可能な……。

 最後に、J2第17節終了時点での京都の平均正味時間は49:5分となっている。これまで積み上げた勝点37を平均正味時間で割ると、京都の勝点率は0・75点となる。1位新潟は勝点37÷56:8分で0・65点、3位ジュビロ磐田は勝点35÷53・5分で0・65点、4位FC琉球は勝点34÷55・4分で0・61点……。京都は「正味時間の勝点率」でも、国連が喜びそうな(?)効率の良さを誇っている。時代とマッチした京都がJ2の寵児に、そんなシナリオが待っているのだろうか。

(文:庄司悟)

庄司悟(しょうじ・さとる)
1952年1月20日生まれ。1974年の西ドイツW杯を現地で観戦し、1975年に渡独。ケルン体育大学サッカー専門科を経て、ドイツのデータ配信会社『IMPIRE』(現在はSportec Solutionsに社名を変更し、ブンデスリーガ公式データ、VARを担当)と提携。ゴールラインテクノロジー、トラッキングシステム、GPSの技術をもとに分析活動を開始


『フットボール批評issue32』

≪書籍概要≫
定価:1760円(本体1600円+税)

禁断の「脱J2魔境マニュアル」

我が国が誇る2部リーグ・J2は、「魔境」の2文字で片付けられて久しい。この「魔境」には2つの意味が込められていると考える。一つは「抜け出したいけど、抜け出せない」、もう一つは「抜け出したいけど、抜け出したくない気持ちも、ほんのちょっぴりある」。クラブの苦痛とサポーターの得体のしれない快楽が渾然一体となっているあやふやさこそ、J2を「魔境」の2文字で濁さざるをえない根源ではないだろうか。

1999年に創設されたJ2は今年で22年目を迎える。そろそろ、メスを入れることさえ許さなかった「魔境」を脱するためのマニュアル作りに着工してもよさそうな頃合いだろう。ポジショナルプレーとストーミングのどちらがJ2で有効か、そもそもJ2の勝ち方、J2の残留におけるメソッドはできないものなのか。このように考えている時点で、すでに我々も「魔境」に入り込んでいるのかもしれないが……。

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【了】

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