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原口元気が取り戻したい“飢え”。再びハートを燃やすためには?「それができなくなったら、もうプレーしない方がいい」【W杯アジア最終予選】

text by 編集部 photo by Getty Images

原口元気
【写真:Getty Images】



 日本代表は2日にカタールワールドカップ・アジア最終予選のオマーン代表戦で敗れたあと、すぐに次なる戦いの地・ドーハへ移動した。

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 MF原口元気はオマーン戦に先発出場していたが、パフォーマンスが振るわず前半のみで交代に。チームも終盤に失点し、0-1で敗れた。前回大会同様にアジア最終予選の初戦を落とす形となってしまった。

 その敗戦を受け、原口は「僕が思うに最終予選は、プレッシャーだったり大きなものがかかっている中で、メンタル的な強さであったり、ワールドカップに出てプレーしたい気持ちをどれだけピッチで表現できるかだと思う」と決意を新たにしていた。

「前回の(ワールドカップ)予選、僕は(強い気持ちを)表現できていたと思うので、精神的なものになるんですけど、もう一度気持ちを乗せられるか、表現できるかにフォーカスして、戦術的なことやフィジカル的なことを準備したいなと思います」

 原口自身、ロシアワールドカップの最終予選から4年が経過して年齢を重ねただけでなく、プレーする環境や代表チーム内での立場も変わってきた。その中で、気持ちの面では以前と「同じではない」と認める。そして、今こそ「初心に帰ることがすごく大事」だと考えている。

「ワールドカップに行きたい、ワールドカップでプレーしたい、ワールドカップってどんなものだろう…という思いで突き動かされていたのが4、5年前。今はワールドカップも経験して、いろいろな経験をして、経験したのはいいんですけど、そこに対する餓えみたいなものは4年、5年前のが強かったと思うんですよね。それが自然だと思うんですけど、でも、それだど乗ってこない」

 今でもワールドカップには「出たくて仕方ないし、(ラウンド16の)ベルギー戦で負けて、もう一度そこに行ってリベンジしたい気持ちはすごく強い」と、原口は言う。2日のオマーン戦では、その思いの強さを試合でのパフォーマンスに反映する点で「うまく表現できなかった」。

「(ベルギー戦を)どれだけ思い返したり、自分の中で熱みたいなものを蘇らせられるか。そこは自分の気持ちの部分でのポテンシャルだと思っているので。それがないんだったら試合に出ない方がいいと思うけど、自分にはまだまだ(ポテンシャルが)十分あると思う。日本代表のために熱くプレーできると思っているので。それを次の試合でどれだけ表現できるか、次の試合に向けて気持ちをどんどん熱くさせていけるか。自分の気持ちをうまくコントールして向かっていければと思います」

 単に「気持ち」というと、抽象的でわかりづらい。目に見えないものだからこそ、原口は「すべて言語化できるとは思っていない」と語る。ならば、「気持ち」の強さを表現するのは「一番の説得力を持つ」ピッチの上でのパフォーマンスだ。

「特に自分みたいなタイプというのは、自分の強さであるメンタル的な部分を言語化できない部分があって、表現できるのは唯一ピッチの上だけだと思っています。それができなくなったら、もうプレーしない方がいいと思っているし、できるので、表現しないといけないなと」

 オマーンに敗れて日本代表も原口自身も「お尻に火がついている状態」。7日の中国代表戦で同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。

「(気持ちを表現するのは)言葉で、ではないですね。全て詰まっているのはピッチだと思うので。ここで何を言おうと、チームメートに何を言おうと、ピッチに勝るものはない。僕らにはその使命がある。それを表現する使命があると思ってるし、僕自身、必ずできると思っています」

(取材・文:舩木渉)

【了】

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