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柴崎岳、日本代表合流に「葛藤はありました。さすがに」。一体なぜ? 激動の10月を乗り越え…

text by 編集部 photo by Getty Images

柴崎岳
【写真:Getty Images】



 日本代表は11月11日にベトナム代表と、同16日にオマーン代表と対戦する。いずれもカタールワールドカップ出場権獲得に向けた、アジア最終予選の重要なアウェイゲームだ。

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 10月は1戦目でサウジアラビア代表に敗れ、日本代表はワールドカップ出場に向けて厳しい立場に追い込まれた。その試合でサウジアラビアの決勝点につながるミスを犯したMF柴崎岳は「僕自身、常にベストを尽くしている中で、いいこともあれば悪いこともあると、どんな世界もそういうことはあると思っています。あそこに関してはいろいろな意見があるとは思いますけど、しっかりと自分の中で消化して臨んでいる感じです」と語る。

 2戦目のオーストラリア代表戦に向けて準備を進めるなか、試合2日前の全体練習後には森保一監督と1対1でコミュニケーションをとる場面も。その後、柴崎はオーストラリア戦で先発メンバーからは外れたものの、後半途中から起用されて指揮官からの厚い信頼を示された。

「森保さんは優しい人なので、いろいろと気を遣っていただいて。2人の間での会話はここで話すことはできないですけど、いろいろなことを話して、全てはやっぱり日本代表のために、日本代表がどうするべきかにつながっている。その方向性をブラッシュアップしながら、個人のところに関しても思っていたことも伝えてくれましたし、僕が感じることも伝えた意義のある時間でした」

 そして11月シリーズも柴崎は継続して日本代表に招集された。だが、今回に関しては「今回はちょっと葛藤がありました。さすがに」と語る。失点につながったミスについては消化できているはずなのに……一体なぜだろうか。

 最大の理由は所属クラブの状況にある。柴崎が所属するレガネスは、スペイン2部リーグで今季序盤から低迷が続き、10月末にアシエル・ガリターノ監督が解任に。メフディ・ナフティ新監督のもとリスタートを切り、1週間で2試合をこなし1勝1分と立ち直りつつあるなかで日本代表活動のためチームを離れることになった。

 スペイン2部リーグは代表ウィーク期間中も公式戦が組まれているため、柴崎が不在の間もチームは動き、試合も進んでいく。難しいタイミングでの離脱になったのは間違いない。

「監督が代わって週半ばと週末に2試合やりました。練習でも監督の求めていることは最低限しか伝えられていなくて、ここで抜けると新監督の求めていることがわからなくなる、そういう葛藤もありましたけど、常に日本代表に選ばれるのは光栄ですし、日本代表のために戦うことを考えているので、そういう時期もありますよね」

 柴崎は今季、スペイン2部リーグで12試合に出場して1得点を記録している。レガネスは22クラブ中19位に沈むが、個人としてのパフォーマンスには自信を持っているようだ。新監督就任後も2試合連続で先発フル出場するなど、チームの中心としての立場を確立している。

「チームの結果と個人のパフォーマンスは関係しているようで、関係していない部分もあります。チームが勝ててないことに関して、自分のパフォーマンスが物足りないと思わざるを得ない部分がありながらも、逆に相反して悪いプレーをしているとも思っていません。

自信を持ってプレーできている部分もありますし、監督が代わってここ2試合、その前も含めて今季はずっと試合に使ってもらっています。そういった意味で自分はチームのパフォーマンスをいい方に導いている証拠かなとも思っていて。いろいろなことを総合的に判断しなきゃいけないかなと。なので(難しい)チーム状況はありますけど、個人のパフォーマンスは悪くないかなと思っています」

 日本代表での痛恨のミスから、所属クラブでの監督交代など、激動の10月を乗り越えた柴崎はベトナム戦とサウジアラビア戦でどんな姿を見せてくれるだろうか。ピッチ上のパフォーマンスで自らがチームに不可欠な存在であると証明できれば、自ずと日本の勝利も近くに違いない。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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