三笘薫
【写真:Getty Images】



 日本代表は11日にカタールワールドカップのアジア最終予選でベトナム代表と対戦する。

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 MF南野拓実やMF伊東純也、MF鎌田大地、MF原口元気、MF堂安律など攻撃陣でキーマンになりうる欧州組の重要戦力たちが、チャーター機のトラブルによって前日練習からの合流になってしまった。

 前代未聞の事態だが、それでも日本代表は勝ち点3をつかみ取らなければならない。だからこそ、多くの選手がコンディションに不安を抱えるなかで期待されるのは早めに合流していた面々の奮起だ。

 今回が日本代表初招集となったMF三笘薫にも、すぐに戦力としての働きが求められる。夏に加入したベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズでは定位置をつかみつつあり、調子は上がっている。

「まずは自分のプレーを、どういうプレーヤーなのかを認めさせないといけない、わかってもらわないといけないので、練習からそういったところをアピールするようにしていました。(チームメイト)1人ひとりのプレーをしっかりと観察して、1人ひとりにどういうプレーが最適なのかを考えてやっていましたし、結局は試合で結果を出さないと認めてくれないので。最初の頃はもがきながらやっていました」

 東京五輪後にユニオンへ合流すると、ベルギーリーグのシーズンはすでに始まっていた。そんな中で途中出場を重ねながら周囲に実力を認めさせ、セラン戦で途中出場からハットトリックを達成。この一戦が決め手となり、次の試合からは先発に定着している。

 だが、ポジションは3-5-2の左ウィングバックだ。ベルギー1部で昇格組ながら首位を走る快進撃を披露しているユニオンでは、前線にFWデニス・ウンダフとFWダンテ・ヴァンゼイルという絶対的な2トップが君臨している。

 だからこそ「試合に出るためにウィングバックが最適だったというのはあります」と三笘は語る。そして、「その中でどれだけチームの力になれるか。そこを意識しながら常にチームに貢献できるようなプレーヤーを目指してやっています」と言葉に力を込める。

 左ウィングバックながら「日本でやっていた自分のプレースタイルを継続してやれているところがよかった点の1つ」というように、三笘はボールを持てば積極的にドリブル突破を仕掛けていく。一方で守備にもハードワークが求められるポジションで「まだまだデュエルやフィジカル的なところが足りない」と好調のなかににも課題を見出していた。

 日本とベルギーでは「サッカー自体が全く違う」という感覚もあり、ベルギーリーグをJリーグよりも「スピードやフィジカルがよりタフなリーグ」と分析している。その中で少しでも成長した姿を見せ、日本代表定着のきっかけをつかみたいところ。多くの選手が万全ではないベトナム戦という大きなチャンスを生かし、チームを勝たせる結果を残せれば、将来にも大きな影響があるかもしれない。

「海外で活躍する選手が増えて、その選手が代表に入ることが多くなって、そういう流れから僕自身も海外に行って、少し活躍したところを評価されて呼ばれたと思っているので、(ベルギーに)行って数ヶ月ですけど、行く意味があったなと感じています。

自分自身の能力とか、そういったところではまだまだA代表でプレーして、どういう形になるか分からないですし、自分の現在地がどこかも試合をしてみないとわからない。それも明日以降の結果によると思いますけど、昔からこういうところ(日本代表)を目指してきて、夢見た舞台なので、しっかりと悔いのないようなプレーをしたいと思います」

 いつもの冷静で謙虚な姿勢な姿勢は変わらないが、瞳の奥には大きな野心を宿している。東京五輪では力を発揮しきれなかった三笘は、A代表を救うことで選手としてステップアップしたことを証明できるか。ワールドカップ予選の舞台で、ベルギーでの活躍が偶然でないことを示してもらいたいところだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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