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堂安律が「メラメラ」で戻ってきた。胸に刻む勝利への責任感「勝てばいいけど、勝つだけじゃダメ」【W杯アジア最終予選】

text by 編集部 photo by Getty Images

堂安律
【写真:Getty Images】



 サッカー日本代表に頼もしい選手が帰ってきた。

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 10月の代表合宿を途中離脱してサウジアラビア代表戦やオーストラリア代表戦を欠場していたMF堂安律は、約4週間のリハビリ期間を経て戦列復帰。所属するPSVアイントホーフェンで2試合をこなし、日本代表に追加招集された。

 今月11日のベトナム代表戦では出場機会がなかったものの、本人曰く「絶好調」。すでに痛めていたひざの状態にも問題はなく、「サッカーがしたくて、うずうずしていた3、4週間」も「メラメラしていた」と語る。

「キャリアでこんなに(長期間)怪我で外れたのは初めて。オーストラリア戦でのチームの活躍をテレビで観て、刺激をもらいましたし、PSVでも若い選手がどんどん活躍するチームなので、俺より年下のやつが活躍して、『俺は何してるんだ』という刺激や焦りを与えてもらった。次は俺の番だと思ってピッチに立って、戻る準備はできていたので。すごく良いメンタル状況で戻れたかなと思います」

 負傷離脱していた約4週間は心身ともにリフレッシュし、特に精神面で充実した状態を取り戻すことにも力を注いだという。「2、3週間やったあたりから、いけるなと自分では思っていた」ほど怪我の回復も順調で「心が整っていたというか、自分の中で準備はできていましたし、『もうやるの?』という感じじゃなかった」と万全の状態で復帰することができた。

「もちろん体って大事ですけど、それを動かすのは頭であり、心の問題なので、メンタルケアがうまくできたのかなと思います。『メラメラしていた』と、めちゃくちゃシンプルな言葉で表現しましたけど、すごくハングリーに、『サッカーが楽しい』という気持ちでボールを蹴って、プレーに戻ってこられたのは大きかったと思います」

 再び日本代表に貢献する準備は整っている。森保一監督就任後に定着し、重要な役割を担ってきたことで「代表に選ばれれば選ばれるほど、回数が増えれば増えるほど、責任やプレッシャーが増えてくる」と感じながらも、ワールドカップ予選も終盤に差し掛かって「やってやろう」という気持ちも強くなっている。

 16日に対戦する予定のオマーン代表は9月に対戦した際に敗れた相手。堂安は「2回も同じ相手に負けられないというのは選手全員が思っていること」と強調する。そして「前回のベトナム戦も勝ちましたけど、手放しで内容で喜べたかというと、そうではなかったのは選手自身もわかっているので、次の試合はしっかりと、心の底から喜べる勝ち方をしたい」と決意を語った。

 オーストラリア戦から採用されている「4-3-3」では右ウィングか中盤インサイドハーフでの起用が考えられる。堂安は「僕が出ればカツを入れるというか、出ている選手に刺激を与えられれば」と、自らがチームの流れを変える役割であることを認識している。

「まずは勝利を大前提に戦う中で、エンターテイナーとして観ている人たちを楽しませるという意味では、それも僕たちの仕事の1つなので、それを心がけてプレーできたらと思います」

「1-0で勝ったんじゃ満足はしていない。勝てばいいけど、勝つだけじゃダメ。少し難しい雰囲気なんですけど、次の試合はそういうのを変えていけたらと思います」

 メラメラ燃える闘志をエネルギーに変え、日本代表をさらに前進させる堂安の活躍に期待したい。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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