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Jリーグ 2年前

新生浦和レッズに待つ未来は…。天皇杯優勝はまだ“前菜”。改革と結果を両立させた指揮官の手腕【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

抜本的な改革の結果



 1週間前の準決勝で見事フロンターレを葬り去った片野坂知宏監督のチームを再び勢いに乗せたくなかった浦和は、序盤から積極的に仕掛けていった。関根貴大と小泉佳穂は特に精力的に前へ飛び出していき、キャスパー・ユンカーと江坂任は大分のゴールキックに対してまで最前線からプレスをかける。中盤では柴戸海と伊藤敦樹が駆け回り、立ち上がりの攻防から主導権を握ろうと試みていた。

 酒井宏樹と明本孝浩も両サイドバックの位置からエネルギー溢れる積極的なプレーで選択肢を提供し、レッズの意図する試合への入り方をよく表していた。小泉と関根による右サイドの強引な突破からエリア手前の江坂がシュートを突き刺して前半6分で先制点を奪ったのも全く意外な展開ではなかった。

 大分は気持ちを入れ替えて後半に臨んだが、時間が経過するにつれ試合はやや膠着していく。だが終了間際に追いつかれた時でさえ冷静さを失わなかった浦和は、間違いなく勝利にふさわしいチームだったと言えるだろう。

 ロドリゲス監督は2021シーズン開始時に引き継いだチームを大きく作り変えてきた。そのことを考えれば、就任1年目でタイトルを獲得しACL出場権を手に入れたことは、指揮官にとって非常に素晴らしい成果となった。

 浦和はJ1で10位となった昨年のラスト5試合で1分4敗と大崩れし、散々な形でシーズンを終えていた。再び強豪チームへの返り咲きを果たすためには抜本的な変化が必要とされているのは明らかだった。

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