フットボールチャンネル

永戸勝也「数年前からこのチームでやってみたかった」。相思相愛のマリノス移籍、新左SBの座をつかめるか?

text by 編集部 photo by Wataru Funaki

小池裕太 永戸勝也
【写真:舩木渉】



 横浜F・マリノスは9日、2022シーズンの新体制発表会を開催した。

【今シーズンのJリーグはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】


 新加入選手たちも含めた今季の陣容を俯瞰すると、ほとんどのポジションで昨季まで活躍していた主力が残留している。一方、まっさらな状況から新たな競争が始まるポジションもある。DFティーラトンとDF和田拓也が退団した左サイドバックがそれだ。

 もちろん彼らの後釜は確保した。鹿島アントラーズからDF永戸勝也、セレッソ大阪からDF小池裕太の加入が決まり、この2人を中心に左サイドバックのポジション争いが始まろうとしている。

 J1で通算127試合出場の実績を持つ永戸は「昨年のシーズン後半はなかなか出場機会に恵まれず、もがいていたところでオファーをいただいた」とマリノスへの感謝を語りつつ、移籍を決断した理由を次のように説明する。

「まずはすごく僕のことを評価してくれていたのが印象で、そしてこのチームでやってみたいなという気持ちを数年前から持っていたので、あまり悩む時間はなかったというか、すごく楽しみな気持ちになって決断した形です」

 小池もセレッソに在籍した2年間は出場機会の確保に苦しんだが「そういう中でも声をかけてくれて、正直その(オファーを受けた)時は驚いたんですけど、(マリノスは)自分のスタイルにも合っていたし、決めるまで時間はかからなかったです」と即決で新たな挑戦に踏み出した。

 2人とも昨季は悔しい1年だっただろう。永戸はJ1リーグ戦で29試合に出場したが、9月以降はスタメン起用が一度もなかった。10アシストを記録したベガルタ仙台時代の2019シーズンほどのインパクトは残せていない。

 セレッソでDF丸橋祐介とポジションを争っていた小池はJ1リーグ戦で5試合、計264分間の出場にとどまった。2020シーズンと比較すればプレー時間は約6倍に伸びたが、不完全燃焼の2年間だったに違いない。

 心機一転、環境を変えて臨む新シーズンも厳しい競争に身を置くことになるだろう。それでも「どこのチームに行っても競争はあると思うし、Jリーグの中でもトップクラスの永戸選手と左サイドバックを争えるのは本当にいい刺激になる。お互いに刺激しあって、高め合っていけたらいいなと思います」と、小池のモチベーションはすこぶる高い。

 永戸も小池との関係性について「お互いに切磋琢磨して、まずはキャンプから高め合っていければいいなと思いますし、今季は少なからず連戦になると思うので、競争もありつつ、お互いに高め合ってやっていけたら」と述べる。共闘しながら、互いに成長していくイメージを思い描いているようだ。

 今季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場するうえ、シーズン閉幕が11月中旬と例年よりも早いため、当然ながらマリノスは過密日程を乗り越えなければならない。王座奪回のためには2人がすぐにチーム戦術を体得し、戦力として機能することが必要だ。

 永戸が「僕は左足のキックに自信を持っているので、セットプレーやクロスからの得点はもたらさなければいけないと思って来ているので、そこで貢献できれば」と語れば、小池も「自分のプレースタイルに一番合っていたので、マリノスに来たつもり。自分がピッチに立った時には、より攻撃的に(チームを)活性化できる」と呼応する。

 似通った武器を持つ新たな2人の左サイドバックは、ティーラトンや和田の存在を忘れさせるような活躍を見せられるだろうか。彼らの適応と覚醒が今季の目標達成に不可欠だ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top