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板倉滉「誕生日を忘れるくらい集中していた」。川崎フロンターレ時代の先輩と共に最終予選デビューで完勝【W杯アジア最終予選】

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

板倉滉
【写真:田中伸弥】



 カタールワールドカップのアジア最終予選が27日に行われ、サッカー日本代表は中国代表に2-0で勝利を収めた。

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 序盤から主導権を握った日本はFW大迫勇也のPKとMF伊東純也のヘディングシュートで2点を奪い、中国に完勝した。この試合でアジア最終予選デビューを果たしたDF板倉滉は、当日が25歳の誕生日。だが、「誕生日ということを忘れるくらい集中していました」と決意のこもったプレーで勝利に貢献した。

「(誕生日のことは)頭の片隅に入れていましたけど、それよりも勝ち点3を取りたいと思っていたので。負けて祝われる誕生日より、勝って祝われる誕生日では全然違うので、それ(勝利できたこと)はよかったです」

 日本代表での公式戦出場は昨年5月末に行われたアジア2次予選のミャンマー代表戦以来。この試合でも、その後の東京五輪でも、そして今回の中国戦もDF冨安健洋が負傷したことで出番を得た形だったが、それら全てで安定したパフォーマンスを披露した。安定したビルドアップとたくましくなった対人の強さは、チームの大きな武器になっていきそうだ。

 ただ、板倉自身は信頼の置ける控えで終わるつもりはない。冨安やDF吉田麻也を脅かす存在になるべく、覚悟を決めて中国戦に臨んでいた。

「もちろん最終予選のプレッシャーもありますし、見ている人にはセンターバックに不安材料があったと思いますけど、『ここでやらないと終わり』と思っていたので。勝ち点3を取れたことはよかったですし、次もしっかり勝ち点3を取れるように、変わらずやっていきたいと思います」

 中国戦は板倉にとって特別な勝利になったことだろう。最終予選でスタメン出場のチャンスを得たことのみならず、センターバックの相方は川崎フロンターレ時代からずっと背中を追いかけてきた偉大な先輩・谷口彰悟だったのである。

「彰悟さんのことは(プロ)1年目から知っていますし、チームメイトだったのでよく知っていますし、コミュニケーションもいっぱい取れる。もちろん誰と組んでもやれる自信はありましたけど、今回はうまくできたかなと思います」

「(谷口とセンターバックでコンビを組めて)嬉しかったですよ。フロンターレで3年間一緒にやっているんですけど、(当時の)自分は試合に出られていなかったですし、ベンチ外から彰悟さんを見ていることが多かったので。最終予選にふたりで出られたのは自分にとってもよかったし、勝利に繋がったことが一番よかったと思います」

 憧れの先輩とともに日本代表としてピッチに立ち、誕生日にアジア最終予選で勝利に貢献したことで板倉はさらに自信を深めているだろう。2月1日のサウジアラビア代表戦も吉田と冨安が不在のため、25歳の長身センターバックにかかる期待は大きい。

 現在グループ首位のサウジアラビア代表は現地27日のオマーン代表戦に1-0で勝利し、日本代表との勝ち点差を4ポイントとしている。2月1日の試合に勝利すれば、2試合を残してカタールワールドカップ出場を決められる状況だ。前回対戦時にホームで日本を倒していることもあって、自信とモチベーションに溢れたサッカーを展開してくるに違いない。

「間違いなく今日(中国戦)とはまた違ったゲームになると思います。ただ、そういう相手に勝っていかないといけないので、短い期間でコミュニケーション取りながら、相手の情報を入れながらやっていきたいと思います」

 もし日本が勝利すれば、サウジアラビアまで1ポイント差に迫るだけでなく、ワールドカップ出場にも大きく近づくことができる。ホームで勝ち点3をつかみ取るために、板倉が守りのキーマンとしてこれまで以上の力を発揮してくれることを期待したい。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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