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日本代表 2年前

サッカー日本代表は世界で通用するのか? アジアでは表面化しない“ギャップ”【西部の目/W杯アジア最終予選】

シリーズ:コラム text by 西部謙司 photo by Shinya Tanaka

サッカー日本代表 2-0 サウジアラビア代表

サッカー日本代表は1日にカタールワールドカップ・アジア最終予選でサウジアラビア代表と対戦し、2-0で勝利した。5連勝でワールドカップ出場に大きく近づいたが、世界基準で見たときに日本代表の戦いは通用するのだろうか。アジア基準では表面化しない弱点が、サウジアラビア代表戦でも見受けられた。(文:西部謙司)

なぜ日本代表の弱点が表面化しなかったのか

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【写真:Getty Images】

 膠着した前半に先制し、後半の早い時間に追加点。あとは無失点に抑えて2-0という流れは中国代表戦と同じで、完勝といっていい。

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 攻めあぐねた中国代表戦と互角以上に攻め込まれたサウジアラビア代表戦では前半の内容が違うが、膠着状態という意味では同じである。そして、この試合展開は「塩試合」と呼ばれた2019年アジアカップのときと同じでもある。

 完勝はしたが課題も浮き彫りになった中国代表戦の先発メンバーをまったく代えなかったのも、前半の膠着状態を森保一監督が評価していたからだろう。サウジアラビア代表戦で課題が目立たなかったのは、2戦目で連係が良くなったこと、国内組のコンディションが上がったことがあるが、サウジアラビア代表にボールを持たれる展開になっていたことが大きい。中国代表戦の課題は攻撃面だったが、今回はカウンター中心の攻撃になっていたので構築の手詰まり感は表面化しなかった。

 勝ち点3がマストではないサウジアラビア代表は、移動負担、気温差、アウェイという条件からも省エネで守備を固めてくるのではないかと思っていたが、それまでとまったく戦い方を変えなかった。

 グループ首位の自信もあるだろうし、少し先を見据えたチーム作りをしている面もあるのだろう。ともあれ、サウジアラビア代表が普段どおりの戦い方をしたおかげで日本代表が弱点を露呈せずにすんだところはあるように思う。

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