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日本代表 2年前

サッカー日本代表は世界で通用するのか? アジアでは表面化しない“ギャップ”【西部の目/W杯アジア最終予選】

シリーズ:コラム text by 西部謙司 photo by Shinya Tanaka

アジアと世界の“ギャップ”



 かつてはワールドカップをアジア予選の延長線上にはできなかった。アジアで圧勝する戦い方をそのままワールドカップに持ち込むことはできない。アジアではわからなかった問題点がワールドカップでは露呈してしまう。

 2010年は岡田武史監督がアジア仕様からワールドカップ仕様に転換してベスト16。2014年は微修正に失敗してアルベルト・ザッケローニ監督の攻撃的なチームはグループステージで敗退した。

 アジア予選とワールドカップがある意味地続きになったのが2018年ロシア大会だ。アジアでの圧倒的な優位性はなくなり、紆余曲折あったものの本大会では接戦ベースの戦い方で運も味方してベスト16にたどり着けた。

 今予選の「塩試合」は、ワールドカップを想定した戦い方といえるかもしれない。ただし、実際にはアジアとワールドカップは地続きではない。アジアでもアジアカップ決勝ではカタール代表の変化に戸惑い、前半に守備を修正できなかったのが致命傷になっていた。

 今回のサウジアラビア代表戦も守備を修正できたのは後半からである。膠着はさせていたが、けっこう綱渡りだった。伊東に対して縦への進入路を空けるなど、およそ日本代表への対策があったとは思えないサウジアラビア代表の戦い方も幸運だった。

 残り2試合も首尾よく塩漬けすれば予選は通過できそうだが、ワールドカップまでの間にアジアとワールドカップのギャップを埋める作業が待っている。

(文:西部謙司)

【了】

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